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KSLA流の取りこぼさない算数6年生: PAP
小学6年生向けの算数(数学)をやさしく解説します。6年生になると、これまで学んできた「分数・小数の四則計算」「図形」「割合(パーセント)」などに加えて、より複雑な図形の面積や体積、比や比例の考え方、簡単な文字式(代数的思考)の導入などが始まる場合があります。おうちの方やご本人が一緒に楽しく学べるよう、例題を交えながらポイントをまとめました。
【小学6年生向け】やさしい算数ガイド
1. 分数・小数計算の総仕上げ
● 分数の四則計算(たし算・ひき算・かけ算・わり算)
• 目標: 通分や約分を含め、複雑な分数計算を正確に処理できるようにする。
• ポイント:
• たし算・ひき算: 分母をそろえる(通分)→ 分子を足したり引いたり → 必要に応じて約分。
• かけ算: 分子同士、分母同士をかける → 約分。
• わり算: → 約分。
• コツ: 大きい数でバラバラにかける前に、約分できるところを先に約分すると計算ミスが減ります。
例題1
• 問題:
• 考え方:
1. 通分 → 分母を12にそろえる
•
•
2. 分子を足す →
3. で約分なし → 帯分数にすると
• 答え: あるいは
● 小数の計算も再チェック
• ポイント:
• 小数×小数 → 小数点以下の桁数を合計して、かけ算後に小数点を移動。
• 小数÷小数 → わる数を整数にするために、小数点を同じだけ右に移動する。
例題2
• 問題: 3.24 ÷ 0.6 = ?
• 考え方:
1. 0.6 → 小数点を1つ右へ → 6
2. 3.24 → 同じく1つ右へ → 32.4
3. 32.4 ÷ 6 = 5.4
• 答え: 5.4
2. 図形(面積・体積)のステップアップ
● 三角形・台形・いろいろな四角形の面積
• ポイント:
• 三角形の面積 =
• 台形の面積 =
• ひし形・平行四辺形などは、三角形や長方形の公式をうまく利用すると計算しやすい。
例題3
• 問題: ひし形の一辺が8cm、高さが6cmのときの面積は?
• 考え方: ひし形は「平行四辺形」の仲間なので、面積 = 底辺 × 高さ = 8×6 = 48
• 答え: 48 (平方センチメートル)
● 体積:立方体・直方体・その他の立体
• ポイント:
• 立方体 →
• 直方体 → (長さ) × (幅) × (高さ)
• 6年生では、柱や錐(円柱・円錐)、または三角柱の体積に触れることも多い。
• 円柱の体積 = 底面積(円の面積)× 高さ
例題4
• 問題: 直方体の長さ = 10cm、幅 = 4cm、高さ = 2cm の体積は?
• 考え方: 10 × 4 × 2 = 80
• 答え: 80 (立方センチメートル)
3. 比・比例・割合の応用
● 比(~:~)の考え方
• 目標: 2つの量の比を使って、必要な量を求められるようになる。
• ポイント:
• 比 a : b とは、「aとbがどんな割合であるか」を示す記号。
• 「a : b = c : d」の形で与えられたら、 の関係を使って未知の量を求める。
例題5
• 問題: ジュースを作るのに、「水 : 原液 = 3 : 1」の割合で混ぜます。原液が5杯あるとき、水は何杯必要でしょう?
• 考え方:
• 3 : 1 = x : 5 → → x = 15
• 水が15杯必要。
• 答え: 15杯
● 割合(パーセント)の応用
• ポイント:
• 割合やパーセントを使って、「値引き」「増減」「グラフ」の問題を解くことが多い。
• 「もとの量 × 割合 = 増えた分/減った分」という関係を意識する。
• 1倍(=100%)からの増減を計算で押さえると、図や表現が複雑でも対処しやすい。
例題6
• 問題: ある商品(もとの値段が2,000円)を20%引きで買うと、いくらになるでしょう?
• 考え方:
1. 20% = 0.20
2. もとの値段 2,000円 × 0.20 = 400円 (値引き額)
3. 2,000円 - 400円 = 1,600円
• 答え: 1,600円
4. 文字式や簡単な方程式の導入(学校による)
• ポイント:
• 「x + 5 = 12」 → x = 12 - 5 = 7 のようなシンプルな方程式や、
• 「面積を a (平方センチメートル) とすると、…」など、文字を使って数量関係を表す練習が始まる場合があります。
• 書き方に慣れれば、中学校数学へのスムーズな移行に役立ちます。
例題7
• 問題: x + 7 = 15 のとき、xの値はいくつ?
• 考え方: x = 15 - 7 = 8
• 答え: 8
5. 複合文章題へのアプローチ
• 6年生では、文章題がさらに長文になり、複数の考え方を組み合わせる問題が増えます。
• ポイント:
1. まず「どの単元(分数計算?割合?面積?体積?比?)を使うのか」を見極める。
2. 必要な数やヒントをメモ。
3. 計算は1回で済むのか、2回以上かかるのかを整理。
4. 最終的に何を求める問題なのかを再確認。
例題8
• 問題: Aさんは500mL入りのジュースを友だち3人と分数の比「2 : 3 : 3 : 2」で分けることにしました。1人分は何mLずつになるでしょう?
• 考え方:
1. 合計の比 → (2+3+3+2)=10
2. 全量 500mL → 1パートあたり mL
3. 「2の人」→ 2×50=100mL / 「3の人」→ 3×50=150mL
• 答え:
• 2のパートの人 → 100mL
• 3のパートの人 → 150mL
6. 親子で楽しむ工夫
1. ショッピング体験で割合学習
• セールや消費税、ポイント還元率など、「割引や税金で実際いくらになるか?」を計算してみる。
2. 家の中や街中での体積測定
• 水の入った容器の体積を測る(底面積×高さ)など、メジャーや定規を使って日常的に立体の感覚を鍛える。
3. クッキングで比・割合を体験
• レシピを「何人分→何人分」に変えるとき、どのくらい材料の量を増やすか計算すると、比・比例が身につく。
4. 簡単な文字式クイズ
• 「x + 3 = 10 なら xは?」「幅×長さ=?」のように、日常会話でちょっとした文字式問題を出し合うと面白い。
7. まとめ
• 分数・小数計算: これまで習った四則計算の総復習と応用。約分・通分、小数点移動などの手順をしっかりマスター。
• 図形・立体: 面積・体積を公式だけでなく「形を分解・組み合わせ」して理解。
• 比・比例・割合: 実生活や買い物の場面での応用が増える。比やパーセント計算に慣れ、複合文章題を解けるように。
• 文字式(方程式): 中学校を見据えた導入。シンプルな式の扱いに抵抗をなくす。
• 文章題の複合力: どの単元をどう組み合わせるか、問題文を丁寧に読み解いて、最終的に何を求めるかを見極める力が必要。
小学6年生は算数の学習範囲が広く、難易度も高まります。しかし、今まで学んできた単元が繋がっていることを意識すると、「あ、これまでの知識がこう活きるんだ!」 という発見が多いはずです。中学校の数学に向けて土台を固める大切な時期でもあるので、分からないところは早めに復習し、少しずつ着実にステップアップしていきましょう。