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人が成長する3つの要素



はじめに

私たちが新しいスキルを身につけたり、目標を達成したりするときには、さまざまな要因が影響します。しかし、大きく括ると「知識」「リソース」「モチベーション」という3つの要素が欠かせないと考えられます。本記事では、これら3つの要素が人の成長にどのように影響し、どのように活用すれば効果的なのかを解説します。あわせて、成長をより加速させるための他の素養もご紹介します。

1. 知識 (Knowledge)

1-1. 理論と実践のバランスが鍵

「知識」とは、学問や情報としての理論的な知識だけでなく、自分の体験を通じて得た実践的な知恵も含みます。たとえば、勉強や読書などの「インプット」はもちろんですが、そこで得た知識を行動に移す「アウトプット」を継続することで、はじめて身になる知恵に変換されます。

1-2. 学習の多様化

現代では、オンライン学習プラットフォーム、SNSでの情報収集、YouTubeや音声メディアなど、さまざまな形で学ぶ手段が増えています。自分に合った方法を組み合わせ、学習の幅を広げることが重要です。

1-3. 失敗から学ぶ“反省とフィードバック”

知識は成功体験だけでなく、失敗やトラブル対応の中にも隠れています。問題が起きた際には振り返りの時間を設け、原因や改善策を検討することで、次のステップに活かせる知識が蓄積されます。

2. リソース (Resources)

2-1. 時間・金銭・人脈の3大リソース

「リソース」と一口にいっても、その中には時間・金銭(資金)・人脈など多岐にわたる要素があります。どれだけ高度な知識や強いモチベーションがあっても、必要なリソースを確保できなければ計画を実行できません。
1. 時間: 学習や行動に充てられる時間をどう捻出するか。
2. 金銭(資金): 必要なツールや研修費、投資などをまかなう資金の確保。
3. 人脈(ヒト): コミュニティや専門家のサポート、情報提供や相互協力。

2-2. 効率的なリソース活用

限られた時間と資金を最大限に活かすために、優先順位をつけることが不可欠です。タスクの整理やスケジュール管理ツールを活用しながら、「今、自分にとって最も重要な行動は何か」を明確にしましょう。

2-3. 人脈の形成と協力関係

周囲の人が持つリソース(知識・経験・ネットワーク)は、自分の目標達成を加速させる大きな要素です。イベントやコミュニティに積極的に参加し、情報交換や相互協力ができるような信頼関係を築きましょう。

3. モチベーション (Motivation)

3-1. 成長を支える内的・外的動機

モチベーションは、人が行動を起こし、継続するための原動力です。内的動機(好奇心・やりがい・自己実現)と外的動機(報酬・評価・周囲からの期待)の両方がバランスよく働くと、人は最大限のパフォーマンスを発揮できます。

3-2. 目標設定の重要性

モチベーションを維持するためには、明確な目標が不可欠です。大きな目標を立てるだけでなく、短期的な目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねることで自己効力感が高まり、長期的な行動継続がしやすくなります。

3-3. 環境づくりと自己管理

周囲の環境が整っていなければ、モチベーションを高めても持続しにくいものです。作業や学習を集中できる空間を整え、休息やリフレッシュを適切に取り入れることで、心身のコンディションを保ちましょう。また、自分のモチベーションの波を把握し、波の高いときに難しいタスクをこなす工夫も有効です。

その他の素養・加速要素
1. 自己認識(Self-Awareness)
• 自分の強み・弱み、価値観を理解し、学びの方向性を定める。
2. フィードバック・自己評価
• 周囲からのフィードバックを積極的に受けとめ、行動の微修正を重ねる。
3. コミュニティ参加
• 学習仲間やメンターとの情報交換、刺激のし合いが成長を加速。
4. 柔軟な思考(Open-mindedness)
• 新しいアイデアや方法論を受け入れる姿勢が、成長の幅を広げる。

まとめ
知識: 学習や経験から得る理論と実践の両面が必要。成功だけでなく失敗からも多くを学べる。
リソース: 時間・金銭・人脈など、具体的な資源の確保や効率的な活用が計画を実行する上で鍵となる。
モチベーション: 行動を支える根本的な原動力。明確な目標設定や環境整備、自己管理などによって維持・向上させる。

これら3つの要素がバランスよく機能するとき、人はよりスムーズかつ持続的に成長します。さらに「自己認識」「フィードバックを活かす姿勢」「学習コミュニティ」などの素養を加えることで、成長のスピードを加速させることができるでしょう。時代の変化が激しい現代だからこそ、知識を身につけ、リソースを確保し、モチベーションを高く保つ習慣を大切にしていきたいものです。

付録

70:20:10の法則(モデル)とは?

70:20:10の法則は、社員や個人が仕事を通じて学習・成長する上で、
70%: 実際の業務(On-the-Job Learning / 実践)
20%: 周囲との関わり(上司・同僚・メンターなどの関与)
10%: 研修やセミナーなどの正式な教育(Off-the-Job Learning)

が、それぞれ重要なウェイトを占める、という考え方です。

1. 70% - 実践(On-the-Job Learning)
• 日々の業務やプロジェクトなど、「実際にやってみる」過程から学ぶ部分
• 成功や失敗の体験を通じて自分なりの知見・スキルが身につく
• 自主的に課題に挑戦し、PDCAサイクルを回すことが鍵

2. 20% - 周囲との関わり・上長の関与
• 上司・同僚・メンター・コーチなど、周囲からのフィードバックやアドバイス
• コミュニケーションや対話を通じて学習を加速させる
• 人脈形成やチームワークの中で「共に考える力」を養う

3. 10% - 研修やセミナー、正式な教育
• 講義形式・オンラインコース・セミナーなど、あらかじめ構築された教育プログラム
• 理論やベストプラクティスを体系的に学ぶのに有効
• 学んだ知識を実践の場(70%の領域)で活かし、周囲からの助言(20%)でさらに改善

なぜ「70:20:10」なのか?

実務経験の中で生じる試行錯誤(70%)が、最も大きな学習効果を生むと考えられています。しかし、それだけでは偏りが生じることもあるため、**周囲の関与(20%)**が「客観的な視点」や「モチベーション維持」に大きく貢献します。さらに、**正式な研修(10%)**で基礎理論や専門知識を短期間で吸収することで、実務における学びをより効果的にする、という組み合わせが理にかなっているとされているのです。

三要素と70:20:10との関連
実践 (70%)
実際に仕事を通じて学ぶ「On-the-Job Learning」。トライ&エラーや成功体験を通じてスキルやノウハウを得る部分。
上長の関与 (20%)
周囲や上司、先輩などとのコミュニケーションやフィードバック、メンタリングが、学びを加速させる部分。
研修 (10%)
講義やトレーニングなどの正式教育が該当し、理論や事例を効率良く習得する。

まとめ

実践:上長の関与:研修」という三要素は、「70:20:10の法則」を具体的に噛み砕いた表現と捉えられます。実際の仕事(70%)を軸にしながら、上司やメンターのサポート(20%)、そして研修などの正式教育(10%)を組み合わせることで、人材が最も効果的に成長できるというモデルです。

組織や個人のレベルで考えると、この70:20:10の法則を意識することで、ただ闇雲に研修だけを増やしたり、現場任せにしすぎたりするのではなく、実務・周囲のフィードバック・フォーマルな教育をバランスよく取り入れる学習環境を整えることが望まれます。

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