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【十年一日】ソニー銀行の人生通帳とアカウントアグリゲーション

【オリジナル記事投稿日 :2009年10月23日】
過去ブログ移植第四弾。今読んでもそんなにポイント外してない気がする。
その後2017年に人生通帳はサービス終了。入れ替わるようにマネーフォワードやMoneytreeといった専業サービス勢が台頭。Agurippaもつい先月提供終了。そしてドコモもマネーフォワードとの協業でスマー簿をリリース。ということでPFM(Personal Financial Management:個人財務管理)なかなかにアツい状況になってます。
PFMに限らずこれからもいろんなアグリゲーションサービスが生まれては消えるんだろう。↓では婚活アグリゲーションとか?なんて書いてたけど、最近のカップリングサービスの隆盛見てると出会い関連アグリゲーション、ないこともない気がする。


ソニー銀行が提供している人生通帳というアカウントアグリゲーションサービスがある。

利用条件はソニー銀行で10万円以上の口座残高もしくは融資額があればいいというもので、システムのバックエンドはNTTビズリンクのAgurippaというASPサービスが担っている模様。開始とほぼ同時に使い続けて1年以上がたち、すこぶる便利なのでちょっとご紹介したい。

まず、アカウントアグリゲーションとはなんぞやというところから。このサービスを利用することで各種の金銭的なオンラインアカウント情報を集約することができる。人生通帳に対応している銀行やクレジットカード、公共料金引き落とし等の各サイトID/PWDを登録すれば、全ての口座・ポイント残高や次期引き落とし金額等々について人生通帳のPC/モバイルサイトで確認することができる。

自分が登録している情報をざっと振り返ると下記のとおり。

銀行3件残高
クレジットカード2枚の請求額
携帯電話請求
ISP請求
電気・ガス請求
amazonの利用情報
各種ポイント(銀行・クレジット・携帯・amazon・TSUTAYA・ビック・ヨドバシ・ANA/JALマイレージ)


ちなみにこのサービスを使い始めてからというもの、自世帯に関するお金の流れは全てケータイで管理できるようになった。通帳記帳という作業もここ1年ほどやったことがないし、各サイト個別にログインして詳細を確認することもほとんどない。興味を持った人は対応しているサービス等詳細を確認してみてください。

で、こっから先はWeb・インターネット業界人(?)としての話になります。

未対応サービスは競争力を失う
アグリゲーションサービスがすこぶる便利だと、まずユーザー心理として「対応していないサービスを利用したくなくなる」。これは当たり前の話。ケータイで何回かクリックすれば自分のお金の流れが全てわかる状態になっているのに、なんで今さら個別サイトに行ったり請求書確認したりせにゃならんのだ。お金の流れは「総計」であるから意味があるのであって、漏れがあると1個1個確認する必要がある。結果として、ものすごい勢いで対応サービスに囲い込まれる。まあ真面目な話、そのうちアグリゲーション対応の規格・標準化とか進んでくるんじゃないかと予想している。とっくに標準化されてますよ、という話であればごめんなさい。

個別サービスのUIがどうでもよくなる
各サービスのWebサイトの中の人には大変申し訳ない話として、アグリゲーションサイトが便利なので個別のサイトを見に行く機会がほぼゼロになる。広告やキャンペーン等々努力されていることとは思うが、結局のところ残高や請求予定額といったコアな情報さえあればほとんど満足。これってRSSリーダーでの全文提供と似た構図。こちらも極端な話、ユーザ向けWebサイトを持たずにアグリゲーションサイト上で機能するモジュールだけ提供するようなサービスとか出てきたりして。

一般化すると、有望なサービスが出てくる都度そのジャンルを包括するアグリゲーションサービスが発達する・・・という当たり前の話になります。最近ではソーシャルメディアにおいてfriendfeedがそこらへんを狙える位置にいるのかなあ・・・と思ってたけど、いつのまにかTwitterに全部集約できそうな感じにひっくり返されつつあるような。

てことで、何か流行ったらすぐそのジャンルを横断するアグリゲーションサイトやろうぜ、ってことなのかな。
今だったらTwitterとはてなハイクとAmebaなうのタイムラインを一括で流すサイトとか、結婚相談所登録情報を横断して拾ってくる婚活アグリゲーションとか、リクナビ他就職サイト情報を大量に比較できる就活ポータルとか・・・

ま、キモになるのは被アグリゲートサイトとの円滑な交渉なんですけどね。ダマでやったらさくっとブロックされておしまい、だし。

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