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2年生、1学期-ミラノ工科大学建築学部

ご無沙汰しています。tomokoです。
やっと1学期のテスト期間も終わり、落ち着いたので今学期の振り返りをします。
*もう2学期が始まってるので前学期ですね、、、

前学期は前年のPiacenzaからミラノキャンパスに移り、環境が少し変わりました。ミラノの家賃が高いため、まだ家はそのままで、鉄道で通いました。
鉄道は日本でいう踊り子的な感じで、少し不便でいらいらしましたが、慣れてくると移動中も作業できるし、意外といけました。

前学期の科目は以下の5つでした。

  • デザインスタジオ

  • 物理

  • 構造力学

  • 遺跡保存

  • 芸術史

スタジオ以外はすべてTheoritical Classです。

デザインスタジオについては様々な困難があったのでまた別で書こうと思います。

デザインスタジオ

スタジオでは4人のグループで架空の島を地形から自然まで自分たちでデザインし、さらにそこに自分たちで定義した詩人のためのshelter & Towerをデザインしました。
この科目ではグループの対立があり、実質2人で仕上げたため、とてもストレスの溜まるクラスでしたが、無事満点30点をとれました。

物理

物理はほぼthermodynamics (熱力学)で、部屋の湿度や温度、また部屋のなかでどのようなエネルギーの変化があるかなどを勉強しました。
例えば、普通の壁とガラスの窓では内外の熱の交換の量が違います。これは壁と窓の材料の違いによるもので、テストではこういった数値を計算しました。また、必要な光の量の計算などもしました。
正直、授業中はまったく興味がなく割とスキップしましたが、テスト勉強をしている間はだんだん興味がわいてきました。というのも、後述のheritageの授業との関連性が見えてきたからです。こういった興味がわかない科目も、なぜ勉強しているのか自分なりに意義を見いだせれば意外と楽しくなってきますね。

構造力学

構造力学はもともと日本で少し学んだので結構楽でした。ただ、最後の試験は1〜2時間かかる試験で、どこかでつまづくと全部合わなくなるのでテスト勉強は大変でした。また、日本と力の向きの書き方が逆だったりと混乱することもありました。この科目を勉強しているとき、高校の時数学を嫌いなままで終わらせなくてよかったと痛感しました。
わたしは最終試験の1回目はスタジオの作業で受けられなかったので、2回目で一発で高得点をとりたかったのでだいぶ緊張したのですが、無事に一発で終わらせられました。
試験ではやや複雑な構造で、はじめ支点のリアクションを計算するところから始まり、そこからinternal reactionを計算した最後にダイアグラムを完成させて終わりなのですが、internal reactionはなんと10個以上の不明な力が働いているため、ひたすら連立方程式を解いていきます。そして、そのあとはその答えをもとに各バーに働く内部の力を計算します。結構骨が折れますw
ただ、すべて丁寧に計算しておけば解けるレベルでした。

遺跡保存

遺跡保存では歴史的建造物をどう保存または修復、改築するのかを学びました。この科目もはじめはそんな興味がなかったのですが、だんだん好きになりました。というのも、この科目は明確な答えがあるわけではなく、open questionな部分が多く、自分なりに考えるのは楽しかったです。例えば、当初ダンスホールとして建てられた建物が戦争により一部破壊され、戦後は戦争の記憶が大事なメッセージだとして破壊部分を残したまま保存されてきました。しかし、その後また議論が起こりオリジナルのダンスホールの目的か後者の戦争の記憶を保存するのか、どちらがこの建物の持つ意義なのか?といったトピックを考えたりしました。また、こういった細かい場所の記憶、文化歴史などを考慮すると、保存の過程で使うマテリアルやテクニックまでにトピックは広がり、なるほどな~~と思いました。また、この科目では歴史的建造物を扱っていたため、素材保存や絵画、彫刻の保存も絡んでおり、そこで室内環境との関連性を見出しました。これでやっと物理が楽しくなりました。


芸術史

芸術史はその名の通り、ルネサンスまでの芸術史を学びました。といっても、教授のレクチャーが時間軸がずたずたなのと、朝8:30という早起きが苦手な私はほぼ行きませんでした。しかし、過去の学生のノートに課金したのでテストは大丈夫でした。
歴史は先史時代から始まり、特にギリシャローマは詳しくやりました。ラテン語?なのかとても覚えるのが大変でしたが、当時のアーティストがなにを成し遂げたかったのか、美の追及であったり、神との関連性、そして政治との関連は面白かったです。ただただ名前を覚えるのが大変でした。。。。
また、必須の本では異なる歴史家の各時代への意見の違いも学べてよかったです。芸術史ではローマがただのギリシャのコピーだという人もいれば、ギリシャとローマは目的が違ったから、美だけでアートを評価するのは良くないなど、学者の意見の違いは興味深かったです。
忙しくてまだ読めていないのですが、gombrichの"The story of art"は読みやすく、どんどんアートに興味が湧いてくるような内容だったのでおすすめです。この本を読むとレオナルドダヴィンチ派の人間もミケランジェロ派になるよ!!と友人に言われました。笑
また、abstract and empathyという本も心理学と紐づけていて面白かったです。

おわり

2年生は結構学校が忙しく、本当に大変だったためこんなにも更新が滞ってしまいました。。。今学期も頑張ります!!


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