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【転職】ファッションに興味がなかった男がZOZOテクノロジーズを選んだ理由


「仕事って、つまらないものじゃないですか」

忘れもしない社会人3年目、同期が集まる3年次研修で、ある同期が代表して「今、私がやっていること」を発表したときに出てきた言葉だ。


仕事がつまらないのは仕方がない、だから仕事は仕事と割り切って全力を尽くし、楽しむのはプライベートに振り切る


こんな感じの内容だったと思う。理屈としては理解できなくはない。特に批判をするつもりもない。

ただ、僕の中では

仕事ってそんなもんか?

と、強く疑問に思ったことは今でも鮮明に覚えている。


当時の僕は「全ての仕事が楽しい」とは思えはしないまでも、数ある仕事の中から少しずつ「仕事の楽しみ方」が見えてきた状態だった。
(ただ、つらい事が多かったのも事実ではある。連日の残業で体は疲れ果てていた)


そんな状態で聞いた冒頭の同期の一言。周囲にも納得した顔の同期が何人か。

当時の僕はその理屈に対し明確な根拠を持って反論できるわけでもなく、ただただ少し寂しい気持ちを持った。


そして数年後。

僕は自分の手でどうにか楽しく仕事をできる環境を作ろうとした。

切っ掛けの一つはONE JAPAN発起人の濱松誠さんの講演を聞いたこと。

特に誰かに相談することもなく、facebookでこんなイキった発信したのが2017年の11月。当時投稿ボタンを押すときに手が震えていた事をよく覚えている。

早速次の日から人を集めてグループを作り、3,4ヶ月後には30人程の規模のグループになった。

その中で新規事業の提案を何度かしたり、執行役員と対話の場を設ける直前まで行ったりした。
(勿論、全てを自分たちでゼロからやったわけではない。社内の新事業提案制度のようなものを活用したり、既に新規事業を勧められる立場にあった人を囲い込んだりもした)

が、、、

結局ダメだった。半年とちょっとくらいは熱量を持ち続けられたが、徐々に僕自身の熱量が低下。

最終的に、2018年の8月頭にとある出来事が切っ掛けで完全に心を圧し折られた

原因は周囲との熱量の差、そしてそれを埋めようとしたことによる、精神的な疲労だ。

はっきり言って、この活動による実績なんて何一つない。学びは多かったが成果など無い。
何か一つでも結果を残せていれば、また少し違う人生を歩んでいたのかなと思うこともある。

心を圧し折られた時にふと思い浮かんだのが「転職」という言葉。

ニコンでのFPD装置事業部の仕事は楽しい。ディスプレイという、世界中に広がるデバイスの根幹技術をこの手で扱える。誇りを持てる仕事だ。

ただそれ以上に、何か新しい事に挑戦しながら楽しんで仕事をしたい。そんな気持ちをずっと持っていた。

そんな状態でTwitterを見ていたら、普段からよく読んでいるNewsPicksの人材募集があった。

率直に、面白そうだな、と思った。

映像の入力デバイス(カメラ)、出力デバイス(ディスプレイ)の開発に携わっていた身としても、「『映像』の持つ魅力」は今後世の中に広がり続けるだろうと思っている。そこを追求してみるのも面白い。

が、結局僕はそもそもNewsPicksの選考を受けなかった

理由はただ一つ、

『モノづくり』に対する幼い頃からの憧れ」をどうしても捨てきれなかったからだ。

幼い頃読んだ漫画でエジソンに憧れ、高校では迷うことなく即断で理系を選択。大学では鳥人間サークルで人力飛行機を作り、卒業後もほぼ迷わずにメーカーへ入社。

無意識の内に「技術を通して何かモノを作りあげる」という事に大きな魅力を感じて人生の軸を選んでいたんだ、と改めて気付きを得たのが確か8月5日くらい。

※ちなみに、NewsPicksを「受けたら受かる」ような書き方をしているが、当然そんな訳はない。簡単には受かることはできなかっただろう。

そんなこんなで、「よし、やっぱりニコンで頑張ろう」と思った矢先にTwitterで見掛けたのが、前澤さんのこの投稿。

はっきり言って、NewsPicksの時とは比べ物にならないほど心を揺さぶられた

もともと「色んなことに挑戦していて、面白い会社だな」と思っていたZOZO(当時はスタートトゥデイ)のエンジニア募集。
しかも完全に「モノを作るためのエンジニアを募集」している。

募集のページには
服の作り方革命に挑戦したいエンジニア募集
の記載があった。

革命に挑戦したいエンジニア
僕はこの言葉に強く惹きつけられた。

元プロ野球選手である江夏豊さんが、当時監督だった野村克也さんに

野球界に革命を起こそう

と言われてリリーフに転向した気持ちはこんな感じだったんじゃないか?と思ったほど。とにかく魅力的に映った。

募集要項は以下のような画面。

求める人物像は以下の通り。

※画面は今のものだが、当時もほぼ同じ内容だったと記憶している。今でも「服の作り方革命」の文言こそないが、同様の募集をしているので、興味がある方は是非。

この中で僕が明確に不安を覚えた部分は「ファッションに興味があり」という部分のみ。

それ以外は「経験がある」だとか「やれそうだ」という項目がほとんどだった。

これは自分の為の募集なのではないか?と勘違いをするほどに条件が合っている。自分ではそんな風に感じていた。

ファッション部分に関しては別途ネタ記事を用意する。転職時に家族、友人など至るところからネタにされた部分である。

この後も半月ほど悩み続けることになるが、結局8月の終わりにZOZOテクノロジーズの選考を受けることを決意する。

そんな形でファッションには一抹の不安を覚えながらも選考を受けることを決意したわけだが、ここから内定を貰うまでの間にも、ひたすら僕は悩み続けることになる。


自分のキャリアから「映像」という武器を無くしていいのか?
ニコンで「会社変革」を叫んでおいて逃げ出すのか?
中途半端なエンジニアである自分が、ZOZOのような会社でスピード感を持ってやっていけるのか?
あんなオシャレな会社に、ファッションに全く興味を持ってこなかった自分が入って良いのか?

以前の投稿で、「転職活動中は自分自身を『中途半端なエンジニア』と自己評価した」と書いたが、それ以外にもいろいろと悩み事は尽きなかった。

ひたすら悩みに悩んだ。最近twitterにupしたが、9,10月に発信量がガタ落ちしたのはこの悩みが原因だ。

だが、選考を受けていく内に「行きたい」という気持ちが徐々に強くなっていった。

決め手になったのは2つ。
1つはZOZOテクノロジーズの事業理念
もう1つが前澤さんの代表挨拶だ。

ZOZOテクノロジーズの事業理念は下記の通り。

https://tech.zozo.com/

70億人のファッションを 技術の力で変えていく
エジソンに憧れ、「技術の力」に魅力を感じ続けてきた自分にとって、この上ない言葉だった。

現在は変えていく途上にある、という点も非常に魅力的だ。入った時点で目標が達成されているようでは意味が無い。

そして、もう一つが前澤さんの代表挨拶。

冒頭で書いた「楽しく働くこと」を代表自らが強い意志を持って発信している。

この挨拶は、会社名がスタートトゥデイからZOZOに変わった2018年10月1日に掲示されたもの。強い決意が感じられた。

この代表挨拶を読んで僕が最終面接に向かったのが10月3日。
最終面接を受けるときには既に心は決まっていた。

そして、当日に内定の連絡を受ける。

即座に内定を受諾、、しようとしたが、一日だけ冷静に自分を省みた。それでも答えは変わらなかったので、内定を受諾。

他にもZOZOに行くメリットは挙げられる。
「個人へのパーソナライズは今後の流れになると感じた」
「個人のSNS発信量が多く、自分のブランド価値を上げやすいと思ったから」
「スピード感があり常に世の中を変革していそうだから」
「高い営業利益率を達成し続けているから」
「自由な社風だから」
どれも魅力的に映る内容だ。

ただその中で僕に突き刺さったのは
「技術の力で世界を変える」という事業理念

「仕事を全力で楽しむ」という代表挨拶
この2つだった。

自分たちが持つ技術の力を持って、世界にアプローチしたい。
そしてとにかく仕事を楽しみたい。

そんな想いを持って12月に入社。

前日、ほとんど寝てないどころか一睡もできなかった。

それでも入社一日目の当日は居眠りなどすることもないほど、色々な魅力的な話を人事の仲間から聞くことができた。

まだ入社して一月しか経っていないが、後悔の念は微塵もない

元いた企業に残って戦え、などという人を最近ちらほら見かけるが、環境を変えるのも一つの手だろう。戦う為に必要なエネルギーは本当に膨大だ。

もちろん、現状を変えようと戦っている人に対しては純粋に尊敬の念を持ってはいる。ONE JAPAN発起人の濱松誠さんなどはその内の一人だ。
(既に濱松さんはPanasonicを去ったが、僕とは違い明確に実績を残している)。

ただ、僕を含め全ての人にそんなことができるわけでもない。

戦うも逃げるも、どちらの方法も知った上で、自分にとって最善と思える選択肢を選ぶだけだ。

来年以降、仕事をする上でたくさんの課題は降ってくるとは思う。というより現時点で既に課題は山積みだ。

そんな状況も、ゲームを楽しむような感覚で、ひたすら楽しみながら一つ一つクリアしていきたい。

ファッションも、興味は持って行けるだろうと思う。何せ周囲の熱量があまりにも半端じゃないもんだから。

周囲の人の熱に当てられて、自分も一気に熱を注ぐようになるのが僕の特性だ。前職のカメラがそうだったように。

高石圭佑
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