【娯楽メモ vol.13】もののけ「全部勘でやってる寿司屋」
あらすじ
回らないタイプの寿司屋に来た客。しょっぱなからボケ倒す店主に対し、客が一つ一つツッコんでいく。
感想(※ネタバレあり)
僕が才能に嫉妬している人のうちの一人がもののけさんです。
本当に、ボケの引き出しが多すぎる。
話の流れにもとづいたものから、大喜利的な突拍子もないものまで、どういう生活をしたらそんなボケがつらつら出てくるんだろうと、いつも感心させられています。
作家的には、こういうアイデアの「0→1」が得意なほど強いので、羨ましい限りです。
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一人多役のラジオコント
もののけさんの動画は一人で何役も演じるコントが中心です。でも、これ本当に一人で録ってるのか…?と思うほど心地よい会話のテンポ感。
編集の力もあるとは思いますが、こんなに違和感なくきれいにセリフを繋げられるのは、単純に演技力の高さゆえですね。
もう一つ特徴的なのは、視覚情報が静止画一枚であること。
ジャンルで言えば、これはラジオコントです。
でも、静止画が一枚提示されているだけでシチュエーションを一発で理解できるので、セリフとしてわざわざ状況説明をする必要がない。
YouTubeをうまく利用した、新しいラジオコントの形だと思います。
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今回のネタは、もののけさんが実際に「大喜る人たち」にお題として提供したテーマらしいですね。それはそれで盛り上がっているので、ぜひ見てみてください。
いつものコントとは違い、このネタはどちらかというと漫才に近いでしょうか。実際に目の前にないのをいいことに、突拍子もないボケの連鎖が生まれています。
そして一つ一つにちゃんと客がツッコんでいる。
もののけさんのネタはツッコミ不在でボケ倒すものが多い印象なので、珍しいなと。それでもちゃんとツッコミがハマっているのが、何でもできる器用さを感じます。
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小ボケの応酬
「S, P, I, T, Zしか入ってません」
電話のコール音ドラムロール
香車を添えて「エンガワといえば将棋ですから」
「お会計が、3千飛んで埼玉」
カード払い「ぴったり頂戴いたします」
この辺はもうもののけさんの得意分野ですね。聞いていて気持ちよすぎるテンポ感です。特に、
「ジビエ用のソース」→「ライス一丁!」→「初めまして」
「お会計こちらです」→「伝票レジまで」→「レジここです」
の流れは完成されすぎてて、M-1の決勝であってもおかしくないくらい。
こういうくだらないやりとり、ずっと聞いていたいです。
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的確なツッコミ
バターとレーズン → 「…いらないです」
「逆じゃないすか、声量?」
「メキシコなら言わなくていいですよ」
ツッコミの間といいタイミングといい、ちゃんとお笑いをわかっている人のそれですね。
ほしい時に必要最低限のツッコミが入るので、聞いていて心地いいんだと思います。
ツッコミって長いとどうしても棒読み感が出てしまうことありますが、それが全くないのが先述したもののけさんの演技力の凄さです。
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バレない程度のつぶやき
「メニューくしゃくしゃだ」
「メキシコシティ…」
「(河村市長)めっちゃ食べそうなのに」
「藤井聡太…」
これも、もののけさんの代名詞ですね。
くだらなさと、気づく人は気づくみたいな遊び心が相まって、遅れて笑いがこみ上げてきます。
これをツッコミ側のセリフとしても入れることで、ダブルボケ的なスタイルで笑いのピークを維持していく。
ボケを得意とするもののけさんならではの手法です。
また、最後「さよぉなぁらぁ〜」がスピッツの楓になってました。こういうもののけさんの細部までぬかりないところ、大好きです笑。
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