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『はなしあい』#3 "地雷"ではなく、"花"を 松浦悟郎氏(カトリック名古屋教区司教)

1.『地雷ではなく花をください』

 松浦講師は最初に「地雷ではなく花をください」という絵本の著者の言葉を引用した。「今、地球上には1億以上の地雷が埋められており、1日に70人以上が犠牲になっている。地雷のような恐ろしい兵器を取り除き花を植えることができれば、どんなに素晴らしいことでしょう。」
 現在のガザやウクライナ戦争に言及し、「人を殺すための武器にお金をかけるのではなく、世界の貧困や人間の安全保障のために何ができるのかを、共に考えてみたい」と問題を提起。

松浦悟郎氏(カトリック名古屋教区司教)

2.国家同士の戦争には、カント流”利害での一致”を

 ガザやウクライナでの悲惨な国家間の紛争を目の当たりにする時、一つの気づきを与えてくれるものがあるという。それは、哲学者カントが書いた『永遠平和のために』という本に記録されている”人間の「自然の傾向」”という考え方である。戦争は人間の本性に”接ぎ木”されたような存在であり、なぜ戦争が起きるのかではなく、どうすれば戦争が起きなくなるかという問いが重要であるとした。
 カントは平和が道徳的な理想からではなく、法の支配による社会の仕組みから生まれること。また、 戦争を起こさない「しくみ」と平和を構築するためには、国家間の「感情」、「考え方(価値観)」、「利害」に向き合うことが重要であるとした。

3.私たちにできること

 憲法が持つ「戦争を起こさない力」には歴然とした価値があると言及し、
「日本の現実から出発し、憲法の理想に近づけて行く平和構築の歩みが大切である」ということを指摘された。
 日本の知る権利、報道の自由(180ヶ国中70位※)が退行する傾向にあり、こうした潮流は果たして、国際的な平和を希求する者にとって危惧しなくてはならない。教会を含め、他の宗教や市民と連携して「太くて短い運動」ではなく「細くて長い運動」を続けていく必要があると訴えた。
 こうした日本の現状中で私たち市民にできることは少ない。しかし、希望もある。それは・・・・・・続きはyoutubeライブラリーから
(記者:山本 俊正 関西学院大学商学部元教授)

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