ファーストワン(業界初)がステークホルダーの心をつかむ!
先日の記事では、2回にわたり
エンドユーザーだけでなく
ステークホルダーも大切なお客様であること、また
ステークホルダーのベネフィットをしっかり定義し
つくっていくことの重要性をお伝えしました。
その記事はこちら。
その事例として、体験談をお伝えしたのですが、
体験談がとても参考になったとのご感想をいただきました。
ありがとうございます!
とても参考になります。
今回もならば!と思い
監視カメラのソフトウェアパートナーサポートの
体験談の続きをお伝えしようと思います。
◇膨大な種類の監視カメラのバージョンアップを強いられたステークホルダー◇
私は“ファーストワン(世界初、業界初)をねらう”
というコンセプトで活動しています。
その活動の中で
ファーストワンは
ステークホルダーにも有効であることを実感したエピソードを
ひとつお伝えしましょう。
前回触れたように、当時
監視カメラに接続するソフトウェアパートナーさんたちは、
その検証に莫大な工数がかかり、大変な思いをしていました。
皆さんも駅や町中でいろいろな種類の監視カメラをご覧になっていると思います。
その形状は、丸いもの、四角いもの、クルクル回るタイプと多くの種類があります。
さらには解像度や画質グレードにも違いがあり、
ソニーもいつも30~40タイプのラインアップを持っていました。
市街監視用や大規模なビルなどの監視カメラシステムでは、何千台、何万台というカメラが接続されています。
それらのカメラに組み込まれているソフトウェアは年に数回バージョンアップされます。
パソコンやIT機器のソフトウェアバージョンアップと同じです。
ソフトウェアパートナーさんはこの数万台というシステムを常に安定して稼働させる必要があるので、
カメラのソフトウェアがバージョンアップされるたびに、この30~40ある監視カメラすべての機種と接続検証を行うわけです。
そして
カメラが接続検証されると “Supported” や “Tested” という情報をホームページなどに公開します。
監視カメラメーカーは大手だけでも10社以上存在しますが、
ソフトウェアパートナーさんたちは
本当に莫大な工数をかけてこの接続検証をされており、
いつもそのことを課題にされていました。
◇「業界初」に繋がったステークホルダーの課題◇
あるとき
海外のパートナーさんとこの工数を少しでも軽減できないかと
ディスカッションをしました。
何時間も熱~い議論の末
「ひとつのカメラのある機能が検証されたら他のカメラも検証したことにできると工数削減になるのだが。」という案がでて
「それならソニー側でその組み合わせをすべて整理して情報提供したらどうか」
と私たちのチームのエンジニアがアイデアを出してくれたのです。
パートナーのエンジニアも
「それはいいですね! それがあるととても助かります!」との回答。
「それって他社さんはどうなってますか?」と尋ねると
「そこまでやってくれてるカメラメーカーはまだありません。」
とのこと。
「と言うことは、Industry first(業界初)になりますか?」
「たぶんそうです。」
この言葉に
私を含めソニーメンバーはモチベーション全開となるわけです。
「じゃ、うちが最初にやるので、協力してください! 他にはまだ言わないで!」
最終的に、パートナーさんのエンジニアの協力もいただいて
あるカメラで検証されたら
他のカメラも設計的にサポートされたことをソニーが保証する
“ Supported by Design”
“ Tested by Design”
という仕組みを業界で初めて整備しました。
◇発揮されたファーストワン(業界初)の威力◇
さて。
ここからファーストワン(業界初)の威力が発揮されるのです。
ソフトウェアパートナーさんを訪問するとき
エンジニアの方々は超多忙なため、
なかなかミーティングには参加してくれないのです。
それが「“業界初”のテスト方法を導入します」と案内すると
超多忙にもかかわらず
ビックリするくらい多くのエンジニアの方々が参加してくれるわけです。
説明の後は
「Industry first(業界初)、すごい! Great!!」
と握手を求めに来られました。
私も ”ファーストワン” にここまで威力があるとは驚きでした。
エンドユーザーだけでなくステークホルダーの方々にとっても
彼らのベネフィットにつながる何か新しい “業界初” の取り組みを探してみる。
皆さんのビジネスの新しいきっかけになるかもしれませんね。
ぜひ、探してみてください。
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