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製造業のサービス化に有効~"無形商材"に目を向ける!~#189

新規事業開発におけるテーマ ”製造業のサービス化” に有効なプロセスとして”無形商材”に目を向けてみるとプロジェクトが進む可能性があります。
今回は”無形商材”について取り上げます。


|製造業のサービス化がテーマ


・サービス事業
・モノ売りからコト売り


メーカー企業で新規事業開発に取り組む際によく取り上げられるテーマです。

私が支援にはいる企業様も多くがこのテーマでプロジェクトを進めたり、
これからこのテーマで進めたいと考えておられる場合が少なくありません。

しかしながらお問い合わせを受ける際
「サービス事業ってどのようなことを言われていますか?」
「コト売りもいろいろな定義がありますが、どんなイメージを持っていますか?」
と私から伺うと
「う〜ん」と悩んでしまわれたり、
「それが分からなくて困っている」とおっしゃる場合がほとんどです。

"サービス事業" や "コト売り" って本当によく分からないですよね。

社長や役員から
「サービス事業を考えよ」
「モノ売りからコト売りへの転換」
などと指示が出されても、実は指示を出している社長や役員ご本人が具体的なことは分かっていないということが多いのが現状です。

そういった ”サービス事業” や ”コト売り” についての経験がほとんどなく、何から始めてよいのかわからないという状況だったり、プロジェクトが行き詰まって風穴をあけたい状況ならば
「“無形商材" をつくる」
というアプローチを試してみる価値はあると思います。

無形商材からアイデアが生まれ、プロジェクトが進む可能性があります。

では無形商材とは何でしょうか?

|無形商材とは


無形商材とは、たとえば以下のようなものになります。

■ ソフトウェア・アプリケーション
■ 機能
■ 情報、データ
■ 労働
■ 権利

ひとつずつ見ていきましょう。

■ソフトウェア・アプリケーション

自社が持つ技術やノウハウをソフトウェアやアプリケーションとして顧客に提供できるものがないかを考えてみましょう。

ハードウェア(有形商材)に関連したソフトウェア・アプリケーションと、独立したソフトウェア・アプリケーションがあります。

■機能

ハードウェア(有形商材)のオプション機能や追加機能を外出しし、無形商材として提供することができます。

ハードウェアのアップデートを有償で提供することもこれにあたります。

ハードウェアに機能をアクティベーション(有効化)できるようにする必要があるため開発費があがってしまいますが、様々な利点があります。

【顧客視点でのメリット】
・必要な機能だけを購入できる
・後から機能追加や性能が向上する

【メーカー視点でのメリット】
・ハードウェア発売当初にすべての機能を搭載しなくてよい
・後から機能を追加できる
・どの機能が使われているのかを把握することができる


さらに、ユーザー登録などの仕組みを整えることで
・顧客とつながることができる
・どの顧客がどの機能を購入したかが把握できる

などのメリットもあります。

■情報、データ

自社が持つ様々な情報やデータも、顧客価値につながるのならば無形商材とすることができます。

AIとも親和性が高く、今後はいろいろな商材アイデアが考えられるはずです。 

■労働

アフターサポートや保守サポートを有償で提供することがこれにあたります。

また、専門知見やノウハウを顧客にコンサルティングで有償提供できることもあります。

これらをこれまでは無償で提供していた場合でも、サービスの定義を変えたり上位のサービスをつくることで、有償の商材につなげられることがあります。

■権利

技術やノウハウを有償ライセンスとして提供することができます。
技術特許や商標権の提供も権利ビジネスです。

|おわりに


ソフトウェア・アプリケーションと機能については厳密に言うとサービス商材では無いかも知れませんが、広義でいうと「製造業のサービス化」に入ると私は考えています。

私もソニーでの最後の仕事が業務用機器の特殊機能をサービスとして提供する事業立ち上げの企画マネージャーでしたが、「機能をサービスとして提供する」という部分で、製造業のサービス化のひとつと考えてよいのではと思っています。

いかがでしょうか?

サービス化やコト売り という言葉にとらわれず商材に分類して考えることで
具体的なアイデアにつながっていきます。


サービス化について課題をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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