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具体事例から見るユーザー調査の危険性#172
新規事業や商品開発においてユーザー調査・市場調査は欠かせません。
しかし、その結果を鵜呑みにすることには危険が潜んでいます。
今回はユーザー調査に潜む危険性についてお伝えします。
|ユーザーは答えを持っていない
新規事業や商品開発においてユーザー調査は重要です。
しかし、
「こういうものが欲しい」
「こういうものがあったら便利だ」
といったユーザーの声から、その望んだとおりの製品を世に出して
本当に売れるのかというのは別問題です。
ユーザーは答えを持っていません。
以前にお伝えした記事をご参照下さい。
|ユーザー調査の結果をそのまま信じていいのか
この危険性について二つの興味深い事例をご紹介します。
1.キリン ラガービールの失敗
まずは、前回取り上げた
元キリンビール副社長 田村潤さんの書籍から。
1987年、アサヒスーパードライの登場でシェアを脅かされたキリンビールは
ユーザー調査を実施。
その結果、「ラガーの苦みが弱点」という結論に至ります。
そこで1996年にラガービールの苦みを弱め、飲みやすい味に変更した結果、
本来のラガーのファンを失う結果となり、大きな失敗を招きました。
2.ソニー ウォークマンの成功
対照的に、ソニーのウォークマンは
社内の反対意見や市場調査での否定的な結果にもかかわらず、
大ヒット商品となりました。
ウォークマンのアイデアが出た当初、社内からは多くの反対意見がありました。
市場調査でも売れる可能性がないという結果であったといいます。
この二つの事例で興味深いのは、ユーザー調査を行ったにもかかわらず、
結果は真逆であったという点です。
|ユーザー視点と企画者視点の違い
これらの事例が示すのは、ユーザーと企画者の視点(時間軸)の違いです。
ユーザーは現在の時間軸を見ているのに対し
企画者はユーザーや市場がまだ知らない未来を創造していかなければなりません。
見ている時間軸が異なっているわけです。
ユーザー調査、市場調査自体は積極的に行うべきですが、
その結果をそのまま鵜呑みにするのは避けるべきです。
企画者の直感や現場の感覚を信じていくことが大切です。
95%のユーザーが興味がないという結果なら
5%のユーザーは興味があるとも言い換えられます。
ユーザー調査は
「やり方」と「捉え方」によって
有益にもなれば、ミスリードしてしまう危険性も秘めています。
十分に気を付けて進めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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