見出し画像


新規事業や商品開発においてユーザー調査・市場調査は欠かせません。

しかし、その結果を鵜呑みにすることには危険が潜んでいます。

今回はユーザー調査に潜む危険性についてお伝えします。


|ユーザーは答えを持っていない


新規事業や商品開発においてユーザー調査は重要です。

しかし、
「こういうものが欲しい」
「こういうものがあったら便利だ」
といったユーザーの声から、その望んだとおりの製品を世に出して
本当に売れるのかというのは別問題です。

ユーザーは答えを持っていません。

以前にお伝えした記事をご参照下さい。

|ユーザー調査の結果をそのまま信じていいのか


この危険性について二つの興味深い事例をご紹介します。

1.キリン ラガービールの失敗

まずは、前回取り上げた
元キリンビール副社長 田村潤さんの書籍から。


1987年、アサヒスーパードライの登場でシェアを脅かされたキリンビールは
ユーザー調査を実施。
その結果、「ラガーの苦みが弱点」という結論に至ります。

そこで1996年にラガービールの苦みを弱め、飲みやすい味に変更した結果、
本来のラガーのファンを失う結果となり、大きな失敗を招きました。

2.ソニー ウォークマンの成功

対照的に、ソニーのウォークマンは
社内の反対意見や市場調査での否定的な結果にもかかわらず、
大ヒット商品となりました。

ウォークマンのアイデアが出た当初、社内からは多くの反対意見がありました。
市場調査でも売れる可能性がないという結果であったといいます。

この二つの事例で興味深いのは、ユーザー調査を行ったにもかかわらず、
結果は真逆であったという点です。

|ユーザー視点と企画者視点の違い


これらの事例が示すのは、ユーザーと企画者の視点(時間軸)の違いです。

ユーザーは現在の時間軸を見ているのに対し
企画者はユーザーや市場がまだ知らない未来を創造していかなければなりません


見ている時間軸が異なっているわけです。

ユーザー調査、市場調査自体は積極的に行うべきですが、
その結果をそのまま鵜呑みにするのは避けるべきです。

企画者の直感や現場の感覚を信じていくことが大切です。

95%のユーザーが興味がないという結果なら
5%のユーザーは興味があるとも言い換えられます。

ユーザー調査は
「やり方」と「捉え方」によって
有益にもなれば、ミスリードしてしまう危険性も秘めています。

十分に気を付けて進めましょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。


※ 新規事業開発や商品企画に携わる方の「お役立ち情報」として
以下の資料が無料にてダウンロードできます。
どうぞご利用下さい。
【新規事業開発・企画構想30チェックリスト】
【白神式企画構想書テンプレート(ppt版)】

※ 株式会社プリミスからWeeklyでメルマガを発行しております。
新規事業開発や商品企画、ビジネスに役立つ情報を発信しておりますので
是非ご登録下さい。

いいなと思ったら応援しよう!