はなちゃんとばあば
母さんが、いない。
父さんに聞くと、
「はなちゃんがお姉ちゃんになるんだよ」って言われた。
母さんに会いに、病院に行った。
母さんはベッドに寝ていて、その横の小さなベッドに赤ちゃんが寝ていた。
父さんは、
「はなちゃんの妹だよ」って言った。
次の日から、父さんばあばが家にいた。
父さんばあばは、知ってる。
優しくて面白くい。
父さんばあばが、家に帰る日、違うばあばが家に来た。
どうやら、母さんばあばらしい。
声も体も大きい。
ちょっと怖い。
次の日、保育園に父さんといっしょに母さんばあばがついてきた。
「はなちゃんの保育園をおぼえないと」と言いながら。
保育園のお迎えは父さんか母さんではないの。
その日、保育園に母さんばあばが迎えにきた。
母さんばあばは先生に
「お父さんが仕事の都合で来れないので、私がきました」と話している。
泣いて、泣いて、泣いたけど
母さんばあばは大きいので、ひょいとかかえられた。
家に帰るとちゅうも泣いて泣いて泣いた。
母さんばあばは
「泣きたい気持ちはわかるけど、帰ろう」と何度も何度も言っていた。
次の日も母さんばあばが保育園に迎えにきた。
先生に抱っこされながら目をつぶった。
目さえつぶれば、母さんばあばは見えない。
しばらくして目をあけた。
母さんばあばがニコッとわらって、
「目をつぶっても、ばあばはいるよ」って言った。
しかたないので、少し泣いてあきらめた。
帰りは、いっぱい寄り道をした。
母さんばあばは、「楽しいかい」と言って
はなちゃんがしたいようにさせてくれた。
母さんばあばも優しいかもと少し思った。
次の日もお迎えはやっぱり母さんばあばだった。
少し泣いた。
泣いてもダメだってわかっていたから、保育園の門をくぐったら泣やむことにした。
帰りは、たくさんたくさんより道をした。
花をみた。
川の中にはさかながいた。
母さんばあばの顔を見たらにこにこしてた。
「ばあばは、はなちゃんの楽しいかおをみるのがすきなんだなぁ」
家でも母さんばあばと遊んだ。
かくれんぼをした。
いっしょにおどった。
次の日、母さんばあばは、いなくなった。
母さんばあばの家にかえった。
ちょっと、さみしかった。
ばあば、またきてね。
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