“何もしない”って贅沢なことなの?玄性寺で味わう、ただここに居ること。
アート合宿で知り合った美月ちゃんからのお誘い
「けいちゃん、10月に福井のお寺泊まろう!」
彼女のお誘いはいつも突然で、詳細はあまり知らされないことが多い
集まるメンバーも、具体的な場所も、テーマもよく知らないけれど、彼女の誘いは一見強引なようで、いつも的を得ている
その人に今必要そうなテーマが、美月ちゃんには見えるのだろうか
彼女のお家で定期的に開かれるホムパも、集まるメンバーはいつも必要な人を必要なだけ、な印象があって、行くと必ず安心できる場所とメンバーが、初対面であっても揃っているから不思議なのである
だから、詳細がよく分からなくても彼女への信頼から「行くー!!」と二つ返事をした私
10月が来る4ヶ月前、6月の出来事でした
ふさふさマッシュの僧侶、たいちゃん
そして、欠かせないのが今回お世話になる玄性寺の副住職たいちゃん
まさか人生で僧侶をちゃん付けで呼ぶ日が来るとは
僧侶への偏見かもしれないけど、たいちゃんはツルツル坊主じゃなくてふさふさマッシュ
たいちゃんは、お寺の人にはシャンとする、みたいなのが好きじゃないんだって
もっとラフで気軽に寺に遊びにきてほしいんだよね〜
って彼自身が誰にでもフランクに親しみを込めて接する姿勢が、今のNEW玄性寺を築き上げているんだな、と思った
彼の部屋にご招待してもらって、スピーカーから爆音でJ-POP流して、みんなでクラブみたいに盛り上がったのも、とってもとっても楽しくって
僧侶って肩書きや仕事で見ると高貴で厳格なイメージがあるけど、普通の同じ人間で、音楽やコーヒーやキャンドルが好きなただの男の子だった
葛藤や悩みや煩悩を持ちながらありのままでいてくれるたいちゃんが、とっても好きになった
死のワークショップ
到着した夜にたいちゃんがナビゲートしてくれる死への追体験ワークショップに参加した
真っ暗な本堂、頼りになるのはキャンドルの灯りだけ
ストーリーが進むにつれて、自分に今必要なものたちが書かれた紙を一つひとつ握りしめて捨てていかなければならない
最初はなんてことなかった
家とか電車とか 代わりになるものはいくらでもあるものだったから
私が最期まで手放せなかったのは、家族とパートナー
死の瞬間もこの人たちがただ笑って、手を握って話しかけてくれていたら、それだけでとっても幸せなのだな、と改めて思い知らされた
最期、手を離してしまうのが寂しいし申し訳なくて
だからまた来世でも会おうね。って約束して別れた
このワークショップのことをパートナーに伝えたら、
死と向き合うのもこわいけど、大切なものを書いた紙でバレないように鼻水拭ってるのが一番こわいって言われた
何もしなくていいんだよ。ただそこに居てくれれば
いつも場の雰囲気や空気に合わせて、自分の役回りを無意識に探す私
アホがいなければアホになるし、仕切りがいなければ仕切る、縁の下の力持ちがいなければ進んでやる
今回は、なるべく役割を探さないように
心からやりたいこと以外はやらないように、と決めて行動してみた
ただ一度だけそのシーンがあって、
料理好きメンバーが作ってくれたご馳走を目の前にしたら、何もしていなくて申し訳ない気持ちから思わず配膳しだす私
そうしたらもんさんが「いいのよ、けいちゃん。何もしなくて」って全て悟ったかのように声をかけてくれた
つい自分でも役割を探してしまうことに気がついた
だってそうじゃないと自分はただ居るだけでは価値が見出せないから
小さい頃からそう
人を笑わせることで、勉強を頑張る生徒でいることで、良いこでいることで自分の価値を見出してきた
そうそう、今はいるだけで良いんだった
メンバー誰もが、居るだけで良いと望んでくれる人たちだった
って、もんさんの一言で初心にかえる
何もしないって贅沢なの?結論:何もしないという在り方、は誰にでもできる
みんなで近くの温泉に行ったり、夜の畑道を散歩したり、本を読んでは寝て、屋根の上で夕日を眺めたり、夜中まで語りあったり
そんな営みって、贅沢なものなのだろうか
これって昔の人の生き方そのものなのでは?と思う
必要なことを必要なだけする、というただの「営み」なんじゃないかな
今回の旅で私にとって自然とともにある、ということが自分のエネルギーチャージには必要不可欠だと実感できた
あと、自分の問いを躊躇することなく投げられる友人も必要
現代人は何事も常に「し過ぎ」だと何かの本で読んだ
だから、"何もしない"が贅沢で、高級品のように感じられるのではないか
「自分の心のままに、正直に行動する」が私にとっての"何もしない"の定義
果たして、これが素直にそのまま実行できている人はどのくらいいるのだろう
自分の心を掴むこともすごく難しいよね
きっと心をつかみたい、向き合いたいと思う人が、この玄性寺の何もしないリトリートに参加するのかな
予感してはいたけど、また行きたい場所になった玄性寺
一緒に参加してくれたメンバー、たいちゃん、誘ってくれた美月ちゃん
全力でLOVEです。