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祇園祭、鉾を曳いた日

今日は祇園祭の曳初め。鉾の試運転をするのに、運がよければ一般の観光客も混ぜてもらえるという日。子どもに鉾を曳くという体験をさせたいし、私も祭りの空気を味わいたいしという願望から京都へ向かう。

11時すぎ四条に到着。お昼ご飯を食べるためそのまま地下から大丸へ行こうとしたけれども烏丸駅に降り立った途端流れてきたお囃子のテープにいてもたってもいられなくなり地上へ。函谷鉾はすでに前懸胴懸もかけられていて道ゆく人々がスマホやカメラを向けていた。

すでにほとんど完成形だった函谷鉾
曳初めも一番早くちまきも今日から授与していた
室町通には菊水鉾
月鉾は前懸はまだでした
方角が書き込んであります
鶏鉾
ザ・絨毯という感じの素材(見た目)であった
年に一度使われる路傍の穴
そこかしこでいぐさ?のいい匂いがしました。畳の匂い。
鉾建ての日の風情だなあと思う
長刀鉾の前懸こんなハイカラだったんだな!
かかった状態をゆっくり間近でみたの初めてだったかもしれない
見映えを確認しながら水引?をかけられていました

そこここで飛び交う怒号。けれどもみんな楽しそう。この雰囲気が祭り。

七月になると町はすました顔をひっくり返して、本当の姿を見せる。祭りが「出現する」感じ。今日までみんなどこに隠れていたのと尋ねたくなるような。「ハレ」とはこういう事なのだろうなと思う。この空気に身を浸すだけで胸がいっぱいになる。

それからはランチに大丸へ向かう。さらっとまわっただけだったけれどもこの時点ですでにもう満足という感じであった。

ゆとりの空間にてしば漬け南蛮
チェックの旗が可愛い

食べ終わってからは地下一階と一階で祇園祭関連のあれやこれやを見てまわる。

一階では各山鉾の粽が展示されていました
子どもは可愛いから保昌山がいいとのこと。学生時代の自分も同じ発想だったな(初めて買った粽は保昌山でした)。
5000円以上買ったら回せるらしい

各鉾町で散財することを見越し祇園ちご餅だけ買って後にする。

大丸店前には大船鉾の竜頭が展示されています
出る頃にはほぼ完全形になっていました。13時半。
函谷鉾周辺では交通規制が始まっていました
放下鉾。これからみんなで真木を立てるところ。
みんなで持ち上げてクロスの部分あたりに差し込みます
もっと低く!という指示が飛ばされこうなった。すごい。しゃぐま〜。
ここで唐突にちご餅食べたいと駄々をこねだす子ども
写真撮らせてというと食べくさしを見せてくれました
そうこうしている間に作業は進む
天王台?が取り付けられている!奥には鉾頭も。

臨場感があって熱かった(子どもは怖がっていたが)。真木が立つところまで見たかったけれどもまだかかりそうだったのでその場を後にしようとしたところ、ばったり友人に出会う。これも祇園祭の面白いところ。

それからは一緒に鉾めぐり。月鉾で一般人も曳初めに参加してもいいか尋ねたところ「いいよいいよ。15時ごろから始まるよ」と言われていたので14時半頃に会所前へ行ってみたところ、曳初めの一般参加はできませんという旨の貼り紙が貼られていた。そう、これも祭り……!私みたいなのがたくさんいたのかもしれない。ちなみにこの時点ですでに函谷鉾の曳初めは始まっていました。

鶏鉾はどうだろうと尋ねてみると「ここではやってないけれども菊水さんならやってるかもしれない」とのこと。それじゃあ行ってみようかと北へ行こうとしたところ、目の前に菊水鉾の綱が。一般の人も大丈夫とのことだったので持ってみると、すぐに北へ方向転換。それに伴い室町通を北進。

四条通を渡ります

で、このときの四条通から室町通へ入るときの混雑がすごかった。来年は室町通を南へ下るようにして行こうと思う。という覚え書き。なんとか潜り抜けて綱を持つ。

小さな子にはみなやさしいのも祭りのいいところ
みんなで鉾をひいています

そしてふと前を見ると、共通のお知り合いの方が。斜め向かいにも、その奥にも。みんな集合してるやん。「〇〇さん!」「××!××!」と大声を出して呼びかけあう。祭りです。そしてみんな確実にひける鉾を事前に把握しているあたり流石です。

それからは気持ちが昂ったまま一人、また一人とお別れ。それぞれ家に帰ったり、祭りの続きを楽しんだり。お祭りのこの、約束しなくても会える、ひとときをともにしても、行きたいところがあればさらりと別れる、一期一会な感じが好き。

最寄駅に降り立った瞬間、あれは本当だったのかなと、さっきまでのことがすべて夢のように感じられる。こうして文字に起こしている間も。けれども昨日の今頃の自分とはぜったいに何かが違っている。この感じもとても好きだ。

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