高野「パンドール」
双鳩堂をでて、南へ下る。
べっ甲みたいなタイルの床屋さん。
洋式住宅がくっついた大きなお屋敷。
いかにも宿場って感じの、京都の街中では見ない、横に長い町屋や商店が続く。街道の趣がある。後で調べるとここは旧大原街道だったらしい。
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旧街道をずっと歩いて一乗寺まできた。ほぼ一駅歩いた…ところで見つけた。
趣深い看板。斜め具合がレトロで良い。
日に焼けたテント、店前に並んだプランター(私はこれを店前園芸と呼ぶ)。いかにも街角のパン屋さんという佇まい。
何より惹かれたのが、窓に描いてあるパンを抱えた女の子のキャラクター。
昭和ファンシー感漂っててかわいい。サンリオっぽい。
素朴なパンたちを見つめていると、近所の人であろう年配の女性が食パンをさっととってレジへ持っていった。
これをみてこのお店に寄って正解だったと思った。京都は各家に「食パンを買うパン屋さん」というものがある。食パンが買われていくことはつまり愛されているしるしなのだ。
店のお母さんにきくと、もう30年営業しているという。「ずっと一乗寺で営業されてるんですか?」ときくと「ここは一乗寺じゃないよ、高野泉町。あそこの道から向こうが一乗寺。」という京都人らしい答えをいただく。高野の入り口にこのお店はあるのです。
私が買ったのは、パンのフリッター。いちごジャムが挟んであるパンをそのまま揚げたものなんだって。シベリアに少し似ていてかわいらしい。
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▶ パンドール
住所:京都府京都市左京区高野泉町63
電話:075-791-3722
営業時間:7:00~19:00
定休日:日曜日