四条大宮「キートス」
「キートス」というカタカナをグーグルマップの上で見つけた。それはフィンランド語で「ありがとう」という意味で、昨年フィンランドへ旅行に行った時、私が発した唯一のフィンランド語だった。
タップすると、どうやらフィンランドのパンをつくっているパン屋さんということが分かった。旅行以来、フィンランドという名のつくもの全てチェックしなければ気が済まない病気にかかってしまったので、日曜日の午後、訪れることにしました。
フィンランドのパンを売ってるということは、こう、ナチュラルでおしゃれなパン屋さんなんだろうと想像して行ったら、いかにもまちのパン屋さんという感じだった。隣におしゃれなお店があったので、ここは工場で隣が店舗なのではないかと覗いたら全然関係ないイタリアンだった。
再度工場と思しき方を覗くとムーミンのポスター(かなり日焼けしている)が貼られていたので、ムーミンのつぶらな瞳を信じて中に入ることにした。
店内に入ると、北欧雑貨店に必ず置いてある白くま貯金箱が。
お店の奥から出てきたのは、若い夫婦…ではなくシャツの胸元のはだけた寡黙そうなおじちゃんでした。おじちゃんはフィンランドのラハティという街のパン工場で働いてたんだと話してくれました。そして「世界のかわいいパン」に載っているフィンランドのパンはキートスで作られたパンだということも。
近所の人が買いに来るのかときいたところ、近所の人は来ない。こういうかたいパンは普段は食べない。みんな柔らかいパンが好きだからね。ほとんど発送だよとありのままのことを話してくれた。ハード系のパンがスタンダードになって久しい昨今ですが、やっぱりみんな毎日あんなかたいの食べないよね。一つ謎が解けました。
近所の保育園の昼食にも出すけど、保育園の予算の関係があるから月に何回かだけだと、またありのままのことを話してくれたおじちゃん。寡黙そうにみえておしゃべり、けど饒舌というわけでなく。少しでも良く見せようという欲が全くなくて、私の知ってる京都人と全然違った。これはフィンランドの人の気質なのでしょうか。
お買い上げしたピパリカッククッキー(左)とルイスリンプ(右)。留め具がフィンランドの国旗色なのがかわいい。
ピパリカッククッキーは、クリスマスに焼いてデコレーションしたりするんだって。ルイスリンプは切ってサーモンや野菜をのせてオープンサンドにするんだとか。
このハパンレイパは水平に切って具を挟むらしい。そういえばそんなだったなと、フィンランドの朝食バイキングを思い出すのでした。
京都の地元感漂うお店で買える本格的なフィンランドのパン。お気に入りが一つふえました。