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経済破綻したレバノンでのナチュールワイン作り

11月25日は、今回のレバノン来訪のうちの最も重要なワイナリーを訪問しました。事前に連絡を取り合っていたレバノン人で同世代のエディー・チャミさん、そしてシリア難民のアブダラ・リシさんのワイナリーです。


レバノン東北部の標高約900メートルのヴィンヤードに案内されました。この日はここで一泊し、翌日別のエリアで、車で2時間程度のベッカー高原にあるワイナリーを訪問しました。


レバノンは経済破綻しており、ここ2年のワイン造りの環境は極めて厳しい状況です。特に、去年のベイルート爆発後は、電力は1日2時間しか提供されなくなり、ガソリンも供給が大幅に低下や価格が上昇。ワイナリーにブドウを運ぶことすらコスト的にもガソリン調達的にも難しい状況が続いたそうです。しかたなく、一時的にワイン醸造設備の一部をベッカー高原から移動させ、今年もなんとか仕込みを終えたとのこと。できたてのワインを試飲させてもらいました。無農薬、無肥料のナチュールワインで、一部はアンフォラを使っていました。


また、このワイナリーには最近パレスチナ人女性の醸造家も加わり、彼女の赤ワインも楽しませてもらいました。ナチュールワインで、多国籍、他宗教のみんなが心を込めて作っているワイン。ユナイテッドピープルワインの輸入第一号は、彼らのワインに決定しました。


キリスト教徒、イスラム教徒の宗派の違う2人。国籍は3つ。そこに日本人の僕が今後は輸入する以上に加わりワイン作りを一緒にしていく。そして国境を越えた、平和のワインが出来上がっていく。まさにユナイテッドピープルワインの求める姿がここにありました。シリア難民のアブダラも、パレスチナ人のレイラもそれぞれ祖国でワイナリーを立ち上げたいと言っていますので、ぜひ、協力して将来的に実現したいと強く願いました。


最初の輸入は来年5月頃の予定です。


11月26日には、ベッカー高原のワイナリーに移動しました。ここは最新の設備が整っていました。そしてここでもシリア難民が働いていて、彼はシリアの激戦地、ホムス出身でした。ユナイテッドピープルは、ホムスを舞台にした映画『それでも僕は帰る』を配給していますので、どんなに大変な体験をされてきたのか想像し、彼との出会いも大変感慨深いものとなりました。


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