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1泊3日の旅
ただひとつの目的のために、長時間の移動もいとわず、用が済んだらトンボ返りする。さて、石破首相の1泊3日のトランプ詣では「用」が済んだ(成果を得た)のだろうか。
論点は3つ。安全保障、関税と対米投資、それにUSスチール買収のネゴだった。玉虫色の記者会見をみると、ただひとつの目的は、切りの良い数字の1兆ドルにかさ上げした対米投資の手土産での機嫌伺いだけだったのじゃないかと勘繰ってしまう。
10年以上前のこと。面識のないドイツの会社の社長からメールが来た。そのグループ会社の日本法人とは同じ業界だったけれど、ほとんどおつき合いはなかった。当時ウチが出したばかりの新製品を欧州で売りたいという。話をきいてみるかと返信すると、2週間後にオジサンがひとりでやってきた。
ドイツを中心に欧州、米国などでの販売、技術提携をしたいという。中国、アジアはともかく欧米はウチではまだ力不足、販売はスピードが大事だと思った。基本OK、詳細は次回ドイツで詰めようということにした。オジサンはその日のうちに帰った。1泊3日のようだった。
生産準備や技術見通しを判断して、しばらくして国際部長とふたりでドイツに向かった。デュッセルドルフからICEに乗って最寄り駅にオジサンがベンツを運転して迎えに来た。工場見学のあと打ち合わせし、サインした。夕刻ビールをはしごして翌朝帰った。2泊4日だった。
時間や効率、費用も考えて、せっかくだからついでに○○に寄って行こうかと思う。でも、一点目的の旅はそれ以上にすっきりして良いものだ。成果があればの話だけれど。