トシヨリのPayPay
『PayPayを 覚えた父の 無駄遣い』(祐宇)
「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」の100選にあった1句。
数年前に会社の近くで、PayPayで食事払いをすると1割引き、2割引きというキャンペーンがあった。バーコードを読ませたり、QRコードを読みこんだり、面倒だなあとは思いながらも、割引率に釣られた。
使っているうちに、履歴が残ることに気づいた。1年以上も遡って。それに今月の入金、出金額までまとめてくれている。これまでSuica払いだったのを、即、切り替えた。
効果ありと思ったのは、送金だ。
訃報のメールが入る。お世話になった人、友人などの葬儀には参列したい。だけど、遠くに住まわっている人には、不義理だけど代理をお願いすることがある。今回は逆だった。
数人にお香典を頼まれた。次の飲み会の時に払うから、銀行振込するから口座をメールして、というのは今までもあった。PayPayで送ります、というのがひとりがいた。
「どうやるの?」
「電話番号はこれでいいですか?」
「そうだけど。大丈夫なの?」
「わたしもちょっと不安なので、10円送ってみます」
試し送金、10円。すごいなあ、すぐに入った。
「OKだよ」
「じゃあ、香典代おくりますから」
これもすぐに入った。この10円もらっておいていいのか、と思ったけど送金の練習にすることにした。
「10円返金してみるから」
「すみません」
葬儀場でのPayPay香典もアリだろうか。葬儀屋が中に入ればできる。でも受付でQRコードの読み取りは、ちょっとね。
『PayPayを 覚えた父の 無駄遣い』
履歴は残るし、集計はできるし、おまけに手数料の要らない送金まで簡単にできる。PayPayは、トシヨリの無駄遣いじゃない。毎月の小遣いをきめて入金しておけば、一応、安心だし。
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