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生け捕り
『ウクライナ当局が北朝鮮兵を生け捕りにした事実を初めて公表した』(韓国:中央日報/Yahoo)
えっ?「生け捕り」、そんな言葉を「人」に使うのか?
韓国のメディアだから日本語に直すのに言葉が違ったのかと思っていたら、日経にもその言葉があった。『ウクライナ軍に生け捕りされないように北朝鮮兵に強い圧力がかけられている』
「生け捕り」、まるで動物のようだ。子どものころ、ペットにメジロを飼っていた。もちろん野生だから罠をしかけて生け捕りにする。竹ヒゴでできた鳥かごの中にミカンの実を入れメジロを誘い込む。逃げる前にすばやく入り口を閉めるのがむずかしい。ヤドリギの実のネバネバしたのを巻きつけた枝に、ミカンを食べに飛んできたメジロがとったのを捕らえるやり方もあった。
「生け捕り」を手元の辞書を引くと①人・動物を、生きたままつかまえること②捕虜、生きたままの獲物(新明解国語辞典)。ふーん、人間にも使うのか、でもちょっと違和感ありだ。
「生きて虜囚の辱(はずかしめ)をうけず」、旧日本軍の戦陣訓だが今の時代はちがう。しかし、北朝鮮では捕虜になるなら自決せよと命令しているらしく、「金正恩将軍」と叫びながら手りゅう弾で自爆しようとした兵士もいたという。
自国が攻められているわけではない。自国が侵略しようとしているわけでもない。遠く離れたロシアの地で政治的、あるいは金銭的な目的で送られた北朝鮮兵士は「生け捕り」の対象にされてしまった。人格のない「動物」のように。