ホメ殺し外交
某国外相A氏は世界中を飛び回っている
100か国を訪問したというから並大抵ではない
友人のように親しい国々には相互の経済界を巻き込むプロジェクト提案を持って行って喜ばれた
つきあいのなかった小さな国々には援助の手を差し伸べて大歓迎された
だが、世界有数の大国は、自分よりも上、もしくは競争相手であり、手ごわい
交渉ごとでは、こちらが損失を被るような逆提案を飲まされてしまう
A氏は別の作戦を実行することにした
礼儀正しく、ただ相手を持ち上げ、徹底的にホメるのだ
何も提案せず、議論せず、もちろん言い争わない
A氏が国連の安全保障理事会で発言することになった
さすがは大統領、あの折、もし私もおりましたら、ご一緒に「女王陛下万歳!」と申し上げたいと思っておりました
主席、不管黑猫白猫,捉到老鼠就是好猫 おっしゃる通り、シロネコ、クロネコ、そして、トラネコも、ミケネコもよいものですなあ
首相…
議長がさえぎった
イライラする挨拶代わりは、ここまでにしてもらいたい
(417字)
2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。これまで410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「イライラする挨拶代わり」をワードとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。
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現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…
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