配達人の死
ピザ配達人の仕事をどう思う?
地味なようだが、いろいろな発見があるよ
昨日配達に行ってきた筋トレのジムは、かつてはガソリンスタンドだった
その前はゲーム喫茶だった
ここまで倒産、廃業が続くとはね
このジムがつぶれる前にお祓いでもしてもらったら?
そんな軽口をたたいのだが、運命の岐路だったようだ
店に帰ろうとしたら、屈強な男たちに呼び止められた
話があるって
男たちからは、ピザ配達の仕事はこれが最後だと言われた
もう働かなくても楽して暮らしてゆけるって
そんなわけで、これから近所の銀行へピザを届けにゆくことになったよ
面白いくらい簡単にコトが進んだよ
「ときめきピザを届けに参りました」は、合言葉だった
男たちの一人が、銃を一発、天井に向けて撃った
支店長が現金の詰まったスーツケースを持ってきたので受け取って男たちに渡したよ
男たちは立ち去った
その時だった
手に持っていたピザ容器の下にあったと思われる爆弾が爆発した
ときめくピザ配達の仕事は、確かに一度だけだった
(416字)
2022年8月20日以来、以下の企画にて、ふだん全く考えもしない、ありえないことをテーマとする怪奇/スリラーのショートショートを書いてみようとしております。今回のお題は「ときめきピザ」をワードもしくはテーマとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。
初めての皆様へ
皆様には、桜井健次のエッセイのマガジン「群盲評象」をお薦めしております。どんな記事が出ているか、代表的なものを「群盲評象ショーケース(無料)」に収めております。もし、こういうものを毎日お読みになりたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2024」を、また、お試しで1か月だけ読んでみようかという方は「月刊群盲評象」をどうぞ。毎日、マガジンご購読の皆様にむけて、ぜひシェアしたいと思うことを語っております。
ここから先は
月刊「群盲評象」(試読ご希望の方向け)
現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…
いつもお読みくださり、ありがとうございます。もし私の記事にご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひマガジンをご検討いただけないでしょうか。毎日書いております。見本は「群盲評象ショーケース(無料)」をご覧になってください。