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Alma Linuxへの道(前編)
今日から3日間ほど続けて、毎週恒例ではない記事を書こうと思います。金曜日はシロクマ文芸部の企画、土曜日は旅論、日曜日は誰にも言えない特別記事になるところ、今回は Alma Linux について語ることにします。
なぜ Alma なの?
以前、Scientific Linux で機械学習ツールを使う環境を整備した経緯を語ったことがあります。
Scientific Linux 6.10 は、CentOS6ベースです。もはやサポートもなにもない古い環境です。けれども、逆に古いデスクトップ、古いノートパソコンを再生使用するにはうってつけ、また最新パソコンでは気持ちよい超高速性を発揮してくれます。重要なScienceツールの多くが、この上で動くこともとても有難いです。世界中の科学研究関係のデータや解析ツールを共通のプラットホームで扱うことができ、大学や研究所に所属していない人たち、アマチュアの科学マニアの人たちにも開放されていますから、本当に恵まれたいい時代になっていると思います。
https://www.linuxlinks.com/tag/physics/
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Scientific Linuxは、6に続いて7がリリースされました。2019年4月22日、7.6まででそれ以上の開発は行われないことになり、つまり、8は提供されないことになりました。その理由は、CentOSの今後の継続性の見通しがないためです。
https://listserv.fnal.gov/scripts/wa.exe?A2=SCIENTIFIC-LINUX-ANNOUNCE;11d6001.1904
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でもScietntific Linux7だって、CentOS7ベースで、2024年6月30日にサポートが切れます。今後はどうするのか? 誰にとっても関心事です。2022年12月8日、今後の見通しについて、CERNとフェルミラボから次のようなアナウンスがありました。
https://linux.web.cern.ch/news/2022/12/monthly_news/
![](https://assets.st-note.com/img/1719481148111-nnmZ3kUu5k.png?width=1200)
なぜ、Almaなの? それは、Scientific Linuxを引き継ぐには最もよいと考えられるから。既にCERNやフェルミラボはそのつもりだから、やがて世界中、それについてゆくと思われるからです。
古いためにうまくゆかない?
このところ、AIを使った画像処理で、セマンティックセグメンテーションなどをやって遊んでいます。ところが、Scientific Linuxで、Pytorchとか導入して、動かそうとするとうまくいかないことが多々あります。
https://github.com/meetps/pytorch-semseg
![](https://assets.st-note.com/img/1719481568736-uoPITVcN5v.png?width=1200)
具体的に、どんなことがあるかと言いますと、学習させるためのツールを動かそうとしたとき、エラーが出ます。このメッセージの意味は、Scientific Linux6標準のLibcは2.12だが、ここでは2.14がないと動かないよ、ということです。
OSError: /lib64/libc.so.6: version `GLIBC_2.14' not found (required by /home/kenji/tutorial-env/lib/python3.9/site-packages/nvidia/cublas/lib/libcublas.so.11)
では、そのLibc2.14を新規にインストールすればいいのだな! と勇んで実行に移すわけですが、ここではまることになります。具体的には、そのコンパイルをする前の段階で、gccやmakeのバージョンが違う(古いばかりではなく新しいのもダメと言われる)というエラーです。じゃあ、バージョンをなんとかすればいいと思うかもしれませんが、仮にそこを何とかしたとしても、最終的にはLinuxカーネルが古すぎるらだめだというエラーが出て、そこから先に進めなくなります。
Libc2.14と聞いて思い出すことがありました。そうです。前にもこれでとん挫したことがありました。
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