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運命の共同ひねり

皆様、新郎新婦が入場します
盛大な拍手でお迎えください

数千年も前の頃だろうか
かつて、結婚式でケーキカットが行われた時代があった
新郎新婦が1つのナイフを一緒に持ってケーキを切るというセレモニーだ

若い2人が初めて行う共同作業という、その理念は残った
無駄に背が高く豪勢なケーキの代わりに使われるのは、30センチほどの長さのポッキーまたはスパゲティのスティックである

そのポッキーもしくはスパゲティのスティックの端のそれぞれを2人が口に咥える
それぞれ中央まで食べ進み完食するのは、もちろんOKだ
口の力で中央で二分し、それぞれで食べるのもOKだ
だが、どんな小さな破片でも、それが床に落ちた場合は、結婚式は中断、結婚はとりやめだ
もっとも、失敗しても3回まではやり直しができる
まさに若い2人が初めて経験する真剣な共同作業と呼ぶにふさわしい
会場の者たちも、固唾をのんで見守っている

かつて、リチャード・ファインマン博士はスパゲティ2つ折り問題に挑戦したことがあった
もし、両端に均等に力を加えた場合、2つ折りにはならず、余分の破片ができて床に落ちることは理論的に説明される

一心同体の2人であればあるほど、結婚は破談になるのだろうか

この問題を打開する方法は21世紀になって考案された
言われてみれば、なんてことはない
両端に同じ方向に同じ力を加えたら失敗するだろう
だが、そこにちょっとひねりの力を加えるのだ
すると、余分な破片ができることなく、ちゃんと二分できる

こうして、ひねりを加えた共同作業ができるかどうかが、結婚の重要な条件になった
そう、あまり必死になりすぎてもいけないのだ
ちょっと笑って、口を動かすのがいい
こうして、半笑いのポッキーゲームは、人生のテーマになった
(719字)

https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.95.095505

https://doi.org/10.1073/pnas.1802831115

2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いています。このところは毎週月曜に投稿、1年ぴったり2023年8月半ばまで続行します。今回のお題は「半笑いのポッキーゲーム」をワードとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。

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