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アートとしての黙食

かつて、飲食店での会話が禁止された時代があった
病原性ウィルスの飛沫感染防止のためだと言われていた
にぎやかに騒がしく会話する人々の精神面を抑圧する側面もあった

当時、黙食と呼ばれたこのスタイルは、その後、新たな発展を遂げた

黙食は、実は1つの表現である
かつて、「男は黙って…」のフレーズが人気を博したことがあった
寡黙な腕利きスナイパーを主人公とする漫画がもてはやされたこともあった
本当は、誰もが静かに黙って行動することに憧れていたのだ

騒がしい会話を禁止する抑圧ではなく、寡黙であることによる創造的な自己表現をうたう黙食専門のカフェやレストランが続々オープンした

黙食パフォーマンスには時間が決められている
注文したものが届けられた時、同時にチェスクロックのボタンが押される
4分33秒後、客は立ち上がり、レジに向かった
支払いが済むと、今日の黙食パフォーマンスをAIが5段階で採点した結果を受け取ることができる

今日もカフェ4分33秒は、寡黙に賑わっている
(420字)

2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。これまで410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「カフェ4分33秒」をワードとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。

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