予告殺人の結末
十人の娘が旅に出た
滝に打たれて一人目が死んだ
九人の娘が旅に出た
橋から落ちて二人目が死んだ
八人の娘が旅に出た
崖から転げて三人目が死んだ
七人の娘が旅に出た
熊に食われて四人目が死んだ
六人の娘が旅に出た
蜂に刺されて五人目が死んだ
残った五人が旅をした
「なんだか、こわい!」
「順番に死んでゆくのをわざわざ数えて歌うの?」
「というよりも、これは殺人予告だろう」
「その通りに実現しているので、ますますこわいわけだ」
「第3者が聞いていてもこわいのだから、それをやっている当事者の犯人はもっとこわいと思っているのでは?」
「死神の子守唄ってまさに、強すぎる数え歌!」
「さすが、いいところに気がつくなあ」
「どうして、数え歌が5人目で終わったのか、わかっちゃったね」
(320字)
2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。以前は410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「強すぎる数え歌」をワードもしくはテーマとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。
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