ラブリラン2話:改めて「仕込む」について考える

「ラブリラン」は、その台詞や行動の意味が、視聴者の想像に任される場面が多いドラマではないかと思う。

2話で代表的なそれは「せっかく仕込んでやったのに」だ。
可能性は3つ。うーん、もっと多いかもしれないけど、とりあえず3つ。

(1)(記憶を取り戻すきっかけになればと)寝ぼけたフリしてキスしてやったのに
(2)棚の一番下の白いボックスに勝負下着を入れておいたぞ、それを見て過去を思い出せ
(3)エロいことを教えてやったのに、処女メンタルに逆戻りかよ

初見の際は、「せっかく…」の直後に白いボックスの存在に言及するので(2)だと理解していたのだが、今回特別編で見直して、改めて(3)なのではないかと思い始めた。
だって、町田は「それ」に強いこだわりを見せているから。

1話に戻ろう。
「付き合って同棲してましたよね」
「一般的に肉体関係にある結婚前の男女が一緒に暮らすことを『同棲』って言うんじゃないんですか」
「あなたはもう処女ではないですし、初めての相手はこの俺です」
…なんだか必要以上に「肉体関係」にフォーカスした発言をしているような。「一緒に暮らしていた」でもいいのに、あえて「同棲」という言葉をチョイスするところとか。

2話では、セフレ疑いの存在を気にするさやかに、詳しい事情も聞かぬまま「あんたは好きでもない男と寝るような女じゃない」と明確に可能性を否定。
そこに「15年も不毛な片想いしてきたような頑なな女」であるさやかと関係を結んだ男は自分だけだ、という自負と独占欲を感じる。さやかを処女から変えたのは他ならぬ自分なのだ、と。

「心配しなくても今の処女メンタルのあんたに俺が欲情することはないから」という台詞すら、裏返せば、自分によって変わったさやかには欲情していたということであり、自分がさやかを変えてきた努力が失われて、スタート地点に戻ってしまったことを残念に思っているからゆえの発言のように感じられる。
普通そんなに「処女」を強調する必要、ないもんね?
そこに執着を見せる町田の、塩対応にカモフラージュされた幼さが、より切なさを際立たせるのだ。

…それにしても、セフレ疑いの男が隼人だとは結局知らないままなんだな、町田(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?