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ドラマ「ねこ物件」第6話レビュー:雨降って地固まる

第6話あらずじ:ファン(松大航也)の飼い猫の命名会議が紛糾していた。毅(上村海成)は「サクラ」。丈(本田剛文)は「マルちゃん」。修(細田佳央太)は「ボウちゃん」を推すが、最終的に優斗(古川雄輝)が迷った時は古典的なものに限る。と子猫は「タマ」と命名される。★★(二星)ハイツには5人と3匹が暮らすことになった。ある日、住人が出払い、優斗は、チャーがいないことに気付く。翌日にも戻らず、何故か優斗は、四つ葉不動産の有美(長井短)に相談すると、猫探偵を紹介される。探偵と共に捜索していると迷い猫のチラシを配る修たちの姿。チャーは皆の心配を思い、無事に帰ってくることが出来るのか!?(公式サイトより)

これで入居者全員が揃った二星ハイツ。猫を中心とした暮らしは一見和やかだ。
ファンを迎えて初めての朝食で上座に座る優斗の背中は広く、頼もしい。しかしそこには優斗が大家らしくしっかりしようとする気負いや、自分が猫に対する知識も愛情も一番だという自負、そういう4人との立場の違いから生じる、さみしさが隠れているようでもあり。
第6話はタマの命名会議や朝食時の座席の位置、二星ハイツから出かける側と見送る側…と、優斗と入居者たちの対比が描かれる場面が多く見られたように思う。

チャーが姿を消し、外の雨を眺める優斗の背中には孤独に似たものを感じる。今晩は待とうと言う修たちと、いても立ってもいられない優斗の温度差。優斗は4人を頼ることなく、一人で捜索に出る。

なのに朝になって真っ先に泣きつく先が有美というのはどういうことか。
思えば優斗はこれまで決して入居者たちに弱い部分を見せずにきた。だが二星家で問題が起こる度、有美のところに駆け込む。そこでとことん情けなく弱音を吐き、アドバイスをもらい、励まされ、また二星ハイツに戻って大家として振る舞う。
有美は優斗が弱みをさらけだせる唯一の存在だ。優斗が二星ハイツの大家でいることを支えているのは、彼女なのだ。

優斗は勝手に自分が頑張らなければと思っているが、入居者たちはちゃんとその距離を埋めようとしてくれている。優斗と有美が猫探偵と一緒にチャーを探している間、4人は4人で猫探しのチラシを作って聞き込みをしていた。
二星ハイツは優斗だけではなく、入居者と一緒に作っていくもの。チャー探しを通して、優斗と入居者たちの心が一つになっていく。

チャーが失踪し、帰って来た理由はわからない。新しく仲間に加わり、皆の関心を一気に引き付けたタマへの嫉妬かもしれないし、タマを迎え入れたことによる優斗の緊張感を感じ取ったのかもしれないし、それ以外かもしれない。
戻って来たチャーを迎えるのは、それまでよりもっと結束の強くなった二星家の面々。その中にいる心地よさを、チャーはきっとまた記憶に刻んで行くだろう。

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