「liar」第四話レビュー:すれ違い、すり減り、途切れる赤い糸
第四話あらずじ:美紗緒(見上愛)はいつまでも市川(佐藤大樹)のことを忘れられずにいた。仕事に打ち込んで市川への想いを忘れようとしても上手くいかず、結局は市川を求めていた。一方で市川も美紗緒のことを想い続けており、でも素直になれず、美紗緒を試すかのように冷たく接していた。お互いに思い合っているのに気持ちを伝えられず、身体だけの関係を続けている2人。そんなある日、美紗緒は別の会社より引き抜きのオファーを受けていた…(公式サイトより)
美沙緒の1年間と市川の1年間、そして4年後へ。2人の想いと時間が交差する第四話。
美沙緒は一度は別れる決心をしたものの、気持ちを抑えきれず市川に連絡を取ってしまう。罪悪感がありながらも市川に会えると嬉しくて「お前、俺がいなくてさみしかったんだろ?」と言われて素直に「うん」と答える。第一話で同じ問いかけに「アホか」と返したのが遠い昔の出来事みたいだ。
しかしそうやって関係を続けて行くうちに、慣れと半ば諦めの気持ちで美沙緒の心は無気力に支配されて行く。
市川の温度感はまるで違う。美沙緒からの「会いたいです。」のメッセージに喜々としながらもすぐ返さないように我慢してみたり、一度は別れを告げられた美沙緒から連絡が来たことで自信を深めたり、かと思えば体だけの関係なのではないかと不安になったり。初めて恋する少年みたいに浮き沈みが激しい。
自分にとって美沙緒が全てであるように、美沙緒にとっても自分が全てであって欲しい。そう願いながら膝を抱えて丸くなる市川は、少年を通り越して胎児のよう。
田所(川島海荷)が会社を辞めて実家に帰ることを知り、市川と別れたのか、それとも結婚するのか悶々とする美紗緒。最後に市川に最後の悪あがきのようなメッセージを送るのだが、それを見た市川は美紗緒の想いに確信を深めてしまい、わざと返事をしない。
ねぇイチ、あなたに注がれているのは母親みたいな無償の愛じゃないんだよ。美紗緒はただの女の子で、何も言わなくても分かってなんてくれないし、気持ちを返さなければ羽ばたいて行ってしまうんだ。
結局、2人の間の赤い糸は途切れ、美紗緒は転職して離れ離れに。
4年後、出野(古川雄輝)に呼び戻され、東洋商社の新規開発事業課で働くことになった美紗緒。終わった恋だと思っていたのに同じ課には市川がいて、しかも一緒に出張に行くことになるなんて…と、再会した2人は第五話でどんな風に4年の空白を埋めて行くのだろうか。
【今週の出野課長改め出野部長】
出野部長!昇進おめでとうございます!ってまだあるんです、このコーナー。
それにしても出野さんは相当な陰謀策略家だと思うの。よくよく考えると言動がどうも怪しい。
「そういえば田所さんも来月沢田物産辞めるらしいよ」という出野さんの言葉に美紗緒が驚くと「なんだ知らなかったのか」。
いやこれね、美紗緒が知らないの前提で言ってるからね?美紗緒が知ってると思ってたら「辞めるらしいよ」じゃなくて「辞めるらしいね」って言うはずなんです。だから出野さんは美紗緒に情報を流すつもりで言ったんですよ、多分。ついでに実家に戻ることまで教えてるし。
美紗緒の会社が買収される絶妙なタイミングで東洋商社に誘ってるのも、4年間虎視眈々とその機会を計っていたのであろう。さらに同じ課に市川がいることは隠したまま、黙って一緒に出張に行かせるとか、もう怖いの域。
切れた赤い糸を裏で出野さんが結び直しているという不思議。
穏やかに見えて、実はこのドラマの登場人物の中で一番ヤベェ奴かもしれないです、出野課長…じゃなかった部長。
でもそういうの嫌いじゃないです、むしろ好きだと言わせてください。そして第五話はもっと暗躍していただいて、願わくばコーナーご卒業を!(きっとまだ続く)
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