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1センチの空は晴れ模様
先日、お盆で父方の祖父の家に帰省した。
祖父は入院していて
祖母は亡くなっているので
私たち家族だけで過ごしたんだけど。
夜になって、
満天の星空を眺めていたら
星って、こんなに見えるものだったんだなってふと思って。
都内に住んでいたら空なんて
泣きたい時とか何か辛いことがあった時にしか見ないよね。
いつもいつも、
時の流れに、人の流れに、流されて
いや、流れから出れなくて、
気づけないんだよ。
思い出そうとしていないの
こんな当たり前のことにも。
小さい頃に祖父と見たあの星も、駆け回った山も、よく遊びに行った川も。
だけじゃなくって、ただ、なにか心を揺さぶられるものに対して、
やばいとか。可愛いとか。すごいとか。
って言葉でしか表せないことに気づいた
自分がいつのまにかそんな悲しい人間になっていることに、気づいた。
空が広いってこと。そんな当たり前なことにも気づけなくなっている
ビルとか家とかに囲まれて
たった指先くらいしかない空。
1センチくらい。
あらゆる方向から伸びる
電線が、
電柱が、
私をこの地に、押さえつけているようにさえ感じる。
普段からなーんにも考えて過ごしてないんだなって思ったら今までの流れてきた時間が勿体無くて、可哀想で、自分が真っ白になった。
でも
それから
空を見るようになった。
なんにもなくても。
ただ空が広いってことに気づけたことが嬉しかった。
だから
ビルで囲まれた1センチの空を見て
狭いなって笑う
笑えるようになった
今。