サンタクロースからの最初で最後の手紙
子どもたちのサンタクロース愛が強かったわけ
多分、我が家に来るサンタクロースは、いつも子どもの思っている斜め上を行っていたからではないかなと思っています。
普段、親がダメと言っている物をプレゼントしてくれます。
まだ年齢的に早いのでは?と思うような物もプレゼントしてくれます。
なにこれ?と笑える物もプレゼントしてくれます。
自分の名前が刻印された物や限定品みたいな特別感のある物もプレゼントしてくれます。
子どもを喜ばすユーモアを持っていなければならないし、子どもの好みを把握していなければならないし、子どもが思いつかないけれど喜ぶ物を考えなければいけないし、きっと、サンタクロースは苦労したのではないかなと思います。
これが欲しい!と言ってくれたなら、どんなに楽だったかと。
一方で、子どもたちのことを理解できているか、プレゼントへの反応から確認していたところもあったと思います。
だからこそ、サンタクロースは頑張っていたのかもしれません。
サンタクロースが来なくなる前触れ
子どもたちが大きくなるにつれ、斜め上を行くことが辛くなってきたのではないかなと、サンタクロースを心配し始めた頃。
子どもたちは、あることに言い直しをすることが多くなりました。
子「ママからもらった○○なんだけど、友達に羨ましがられたよ~。」
私「えっ?ママがあげたっけ?」
子「あっ!ママじゃなくて、サンタさんからだった。」
にやけ顔で訂正します。
私が買ってあげた物とサンタクロースからのプレゼントを間違うことが増えたのです。
これはきっと、サンタクロースが来なくなる前兆ではないかと私は思い始めました。
さぁ、我が家のサンタクロ―スはどうするのだろう。
ある年に、突然、プレゼントが届かなくなるのだろうか。
子どもたちが、がっかりしない方法をお願いしたいな。
いや、そもそもがっかりするような年齢じゃないよね?
それでも、サンタクロースとは楽しくお別れをして欲しいな。
私は祈るような気持ちで、その日の朝を迎えました。
娘が大学3年生、息子が高校2年生のクリスマスの朝です。
いつものようにプレゼントはありましたが、そのプレゼントに、サンタクロースからの最初で最後の手紙が付いていました。
子どもたちは、この手紙を読んで大爆笑しました。
我が家のサンタクロースって、こんな人柄だったの?と。
サンタクロースのキャラ設定崩壊です。
赤い服を着た太った優しいおじいさん感は、どこに行ったのでしょう。
きっと、手紙の内容に気を配り過ぎて、自分のキャラを忘れてしまったのだと思います。
そして、息子には、更にもう1枚手紙が付いていました。
娘よりも早く営業が終了してしまうことのお詫びと、その代わりに、4年分くらいのクリスマスプレゼントになっているという内容でした。
子どもたちはがっかりすることもなく、さすが我が家のサンタクロースだと称賛していました。
我が家のサンタクロースは、本当にいい仕事をしてくれました。
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というわけで、次の年からサンタクロースは来なくなりました。
来なくはなったのですが・・・
子どもたちがサンタクロースからの手紙に納得した後、
「いやでもさ、やっぱり朝起きてプレゼントがあるっていう幸福感は無くならないで欲しいわけよ。別に高価なプレゼントじゃなくていいの。100円とかの物でもいいの。とにかく、朝にプレゼントがあって欲しい。お願いだから。」
と、しつこく私に言ってきたのです。
結局、サンタクロースの代わりに私からプレゼントをあげることになり、そのプレゼントをサンタクロースと同じように届ける仕組みに変わりました。
変わったんです!(謎の念押し)