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DX化、進んでいますか? 「非IT企業でもできるDXのススメ方」セミナー イベントレポート

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この度、K.S.ロジャース代表の民輪は、神戸市が開設したコミュニティスペース「ANCHOR KOBE」でのメンターに就任し、神戸を始めとする地方企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速させるべく、支援をスタートしました。

経済産業省の唱える「2025年の崖」でも指摘されているように、DX化は今企業にとって重要な課題です。そこで今回、K.S.ロジャースでは「DXとは何か?」を知るための初級編セミナーをANCHOR KOBEで行いました。

本記事では、セミナーの内容を踏まえ、DXについての解説とこれからの向き合い方についてお伝えします。

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◾️ANCHOR KOBE

神戸市が開設し、株式会社神戸新聞社と有限責任監査法人トーマツが運営元となり、スタートアップ、企業、大学、研究者、市民が、自らのアイデアや想いを、多様な人々とともにカタチにし、イノベーションを創発するコミュニティスペース。

スタートアップや企業の関係者、学生らに参加を呼び掛け、社会・企業の課題解決、即戦力となる人材の育成、会員企業での学生インターンシップ(就業体験)、情報発信支援、国内外の施設との連携等に取り組む。


◾️民輪一博(株式会社K.S.ロジャース 代表取締役社長)

エンジニア出身の起業家。コロナ以前からリモートワーク・フルフレックスのK.S.ロジャース株式会社を立ち上げ、副業・業務委託・正社員と多様なワークスタイルのエンジニアを組織化してきた。

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そもそも「DX」とは何なのか?

DXの定義を簡易的に表現すると「デジタル化(クラウドサービスやSaaS、AIなど)やデータ活用によって、顧客サービスの提供価値を向上させること」。

デジタル技術の活用によって自社の商品開発に役立てたり、コスト削減をして利益率を上げたり、社員の手間を減らして顧客と向き合う時間を生み出すなど、あくまでDX化が目的なのではなく、DX化によって顧客への提供価値を向上させるというところがポイントとなります。

DX化に乗り遅れると経済損失が生まれる

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日本企業の約8割はレガシーシステム(最新技術を適用できず汎用性のない古いシステム)を抱えており、多くのコストや人的リソースが奪われているのが現状です。


経済産業省は「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」の中で『2025年の崖』を唱え、このままレガシーシステムが刷新されなければ、IT人材の引退やシステムサポートの終了によって、2025年以降、経済損失が最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性があると指摘しました。

しかし、2020年12月で公表された「DXレポート2」では、調査した会社の9割がDXについて未着手、あるいは散発的な実施に留まっているとのデータが出ており、DX化を推進している企業とそうでない企業の二極化が進んでいます。

特に地方をはじめとする中小企業では、これまでの業務や習慣から脱却できないまま、コロナ・ショックによって事業継続に大きな打撃を受けている企業も数多くいます。

優先すべきは「組織的課題」

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DX化を進めるうえで課題となるのは『経営戦略』『既存システム』『組織』『開発体制』の4つ。特に、組織的な課題は、他3つの課題よりも早い着手が必要となります。

社内全体が常に改善しようとする姿勢を持ち、デジタル技術による変化を受け入れる環境や、それを定着させていく文化を作る必要があるため、DX化は一朝一夕にできません。

先にもお伝えしたとおり、DX化は目的ではなく手段。最終的にはDXによって利益アップにつなげることが大切なので、「DX推進部署」を設けて専門分野の人材だけが取り組めば終わりではなく、徐々に全社的に認識を広めて巻き込んでいかなければなりません。

ちなみに、K.S.ロジャースで実際に支援している企業の事例では、1年かけてようやくDX人材の採用に動き出そうとなりました。「ここに至るまでには、なかなか組織内での承認が得られにくく、意識改革に時間を要した」と民輪。

諦めてしまえば頓挫してしまうので、DX化には”粘り強さ”という精神論も少なからず必要となりそうです。

まずは『守りのDX』から始めよう

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DX化は『守り』と『攻め』の大きく2種類に分類されます。

『守りのDX(デジタイゼーション)』とは、主に既存の業務プロセスを改善しコストを最適化すること。

これは「FAXの廃止」が最たる例と言えるでしょう。情報のやりとりはEメールに、紙はPDF化に…とデジタル化していくことで、コストも手間も大きな削減となります。

一方で『攻めのDX(デジタライゼーション)』は、新規ビジネス開発。0から1を生み出すためには高速で仮説検証を行うことが求められます。

「これからDXに着手するのであれば、『守りのDX』が良いです。新しいことに挑戦する『攻めのDX』は難易度が高く仮説検証の時間もかかりますが、『守りのDX』の場合、ものによっては小さな改善から始められ、会社全体としても受け入れ易いと思います。少しずつでも小さな成功体験を積み重ねることが重要です。」(民輪)

攻めのDXは、「失敗がつきもの」と思うことが肝心

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『攻めのDX』は、自由で積極的なアイディア出しから始まります。沢山のアイディアのうち複数を製品・サービスの簡易版へとつなげ、実証実験を行い、正式なリリースへと歩を進めます。最終的に成功する確率は20%程度。投資対効果が大きいかどうかも一つのポイントです。

何よりも重要なのは「必ず失敗するものだ」という考えを念頭に置くこと。失敗をしないように1発の大勝負に賭けて計画を練るよりも、複数の小さな勝負を早く実行し、小さな失敗を重ねていく方が、結果的に失敗のリスクは小さく済みます。

「私は失敗も良いことだとお伝えしています。失敗から得られる実証実験のノウハウはとても大きいからです。失敗するほど実証実験のための製品づくりなどで知識やスキルが蓄積され、効率的に進められるようになります。」(民輪)

DX推進における3つの壁

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DX化を推進すると次の3つの壁と直面します。

・企画の壁:アイディアの質が低い、アイディアが出てこない
・組織の壁:上手く人を巻き込めない
・開発の壁:開発が上手くいかない

企画・組織の壁は、企業文化の変革が求められます。今後続編のセミナーで深堀りをする予定なので、今回は実装・事業化のフェーズで立ちはだかる開発の壁について少し解説していきましょう。

開発・実装まで、DX化を全て自社で進めるのは至難の業。そこで外部パートナーに頼ることになりますが、特にスピードが要となる『攻めのDX』では、パートナー選定によってPDCAもなかなか上手く進まない可能性も出てきます。

また、ベンダーロックがかかる場合はノウハウを自社に蓄積されず身動きもとれないので、パートナー選定には注意が必要となります。

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始めるタイミングは?社内政治はどう対処する?
DXをこれから始める方のQ&A

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最後は質疑応答の時間へ。参加者の皆さんからたくさんのご質問をいただきましたので、抜粋してQ&A形式でご紹介します。

- 社内の課題が見えない状況では、何から手を付ければ良いか?

まずは日々の業務や業務プロセスについて横断的に整理する必要があると思います。社員にインタビューをすることで、実務を行っている人がどこに課題を感じられているのかが見えてきます。

当たり前のようですが、意外とこうした業務整理をされていない会社さんを多く見かけますので、まずはここかなと思います。業務整理が明らかになれば、最優先事項も見えてきます。

- 原資の少ない中小企業がDX化に取り掛かるタイミングはいつか?

私は早ければ早いほど良いと考えます。というのも、DX化は会社の組織や文化のアップデートが重要となり、これは時間のかかることだからです。また予算面の検討も必要なので、早めにアクションを起こして踏み切っていくのが良いと思います。

早めに取りかかれば、その分ノウハウの蓄積も早く進みます。DX人材を活用するのも会社に定着させるのもノウハウが必要なことですので、採用の観点からも早く動いていくのが良いでしょう。

- 昔の企業文化が色濃い経営層はDXの理解が困難。社内政治も必要だが、若い層がイニシアチブを持つまで待つ方が良いのか、経営層を打破してでも進めることが求められるのか、どちらか?

周囲の意見や、20代の頃の自分もそうだったのですが、若い層は成長環境を重視する傾向があります。
上層部の引退を待っていると、意欲的な人材ほど見切りをつけて別の会社へ移ってしまう可能性もありますので、社内政治が大変難しいことも理解できるのですが、先のことを考えると打破していく方が大切なのではないかと思います。

- 「企画の壁」について、アイディアの質の良し悪しはどう判断すればよいか?

まず前提としては「アイディアを出すこと」だけでOKと考えています。良し悪しの判断をしません。これはアイディア出しの段階で非常に重要であると考えます。特に『攻めのDX』の場合、成功するかどうか分からなくても「これは絶対に成功する(させる)!」という強い気持ちが成功に繋がることも、特にITのスタートアップ企業においては往々にしてあるからです。

また、判断の基準はいくつかありますが、そのうちのひとつは実現可能性や売上が見込めるかどうかになります。アイディアの考え方についてはお伝えしたいことがまだまだあるので、別の回でこれをテーマに深堀りする予定です。

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DXは根気が要るが、生き残るためには乗り越えなくてはならない

DX化は時間と社内の協力が必要不可欠です。これを推進していくことはとても大変なことではありますが、人材不足は既に起きつつあります。まさに今から取り掛からなくてはならない重要なプロジェクトと言えるでしょう。

K.S.ロジャースでは、企業の個性に合わせたDXの無料相談会を実施しております。是非お気軽にお問い合わせください。


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