地雷がいっぱい、危険なハロウィン
昨日はハロウィン。
その前日に息子の定期検診で栄養士さんに渡した荷物に、なぜか私の社会保険カードが紛れ込んでいて、ハロウィンだって言うのに、その引き取りに子供病院を行かなければならなかった。
「栄養士さんなら中にいるはずだから、入って」
受付を通り過ぎると、たぶんドクター以外のほぼ全員のスタッフが仮装していた。
髪の毛の中で、棒に刺さったクモがビョンビョンしてる人、魔女の格好の人、全身つなぎの骸骨のコスチュームの人がやたらにウロウロしている。
栄養士さんを見つけなければいけないのに、仮装で遥かに難易度を増してしまっている。しかも、私は日本人以外の顔の識別が激しく苦手だ。
息子は二人のドクターにかかっている。二人ともインド系の人で、最初に診察してくれたドクターがどっちの人かわからなくて、大博打をかけて「あの〜〇〇の件なんですけど」と言ったら、やっぱりはずれてて、「それは〇〇ドクターに聞いてね」と、ちょっとムッとした感じに答えられてしまった。
同じ過ちを再び起こしてはいかん。
注意を払って、仮装して行ったり来たりしているスタッフを凝視する。
骸骨くんたちはフードまで被っていて髪が隠れているから、判別が特に難しい。
しかも、中にはマスクをしている人もいて、さらに、難易度が増している。
栄養士さんは、私が最も識別を苦手としているジャンルの、金髪ストレートヘアの白人の女の人なのだ。
何を隠そう、シャーリーズ・セロンと、スカーレット・ヨハンソンの違いがいまだにわからない人間だ。
若干挙動不審になりながら、院内を歩いていたら、栄養士さんの方から声をかけてくれた。
やっぱり、黒つなぎ骸骨の一員だった。
よかったよ、向こうが見つけてくれて。
そんなこんなで、学校が終わる頃には、何とか家にたどり着くことができた。
学校が終わると、今度は、本格的にハロウィンのメインイベント、『トリック・オア・トリート』の支度にかかる。
子供達もティーンエイジャーとなって、子供の頃のコスチュームをどうする、こうするの手間はさすがになくなった。
娘は『トゥームレイダー 』の『ララ・クロフト』のコスチューム、ってことで、長い髪をおさげにして、似た感じの洋服着て、太ももにマジックテープでおもちゃのピストルをくくりつけておしまい。
息子に至っては、ポケモンのカビゴンのつなぎを着こんで終了。
元旦那の子たちと一緒にキャンディもらい行脚をするので、二人を元旦那の家に送っていって、私のハロウィン業務は終わり。
いやあ、楽になったもんだ。
小さい頃は、事前に「今年は何になる?」という問答から始まって、それに合わせて、衣装や小道具を用意した。一回着て終わりのコスチュームに大金出したくない我が家では、古着屋で探したり、あるもので手作りしたりで、まあまあ手間がかかるイベントだった。
これまで子供がやった仮装は、娘は定番の魔女から、よくわかんない、ぶりぶりのプリンセス、アナと雪の女王のアナ、そして、なぜか『スタートレック』の『スポック』、『インディージョーンズ』という、カッコいい(?)系コスチュームに変化した。あ、だから、ララ・クロフトも同じ路線ではあるのか!
息子は、警官、消防士、忍者、そして、あれは3年生くらいだったか、『信号機』ってのがあった。
いや、どんだけ近所中駆け回っても、信号機のコスチュームのお下がりなんてあるわけないし、お裁縫が得意なグランマとて、何をどう裁縫すればいいだよ、っていう話だ。
結局、私が段ボール箱を細工して、赤、黄、青のセロファンを貼って、帽子のひさしみたいなカバーもつけて、ようやく完成させた。
その信号機の箱(カナダの信号は縦長)を頭からかぶり、息子は颯爽とハロウィンのキャンディ集めに出て行った。
その時は私も一緒だったんだけど、道ゆく人々が、息子を目に留めるなり「んん?」っていう顔になって、その後「ああ!」に変わって、笑いながら「今夜、一番のコスチュームだよ!」とか声をかけてくれた。
息子的には、この『信号機』のコスチュームは、『いけてるコスチューム』なわけで、なぜ笑われてるのか全然わからないみたいだけど、とにかくご満悦ではあった。
*
子供を送り届けた後、帰る道は、小雨がぱらついて、もちろん、人も車も多いしで、かなり運転に注意を払わなくてはならなかった。
だけど視界の端に、とてとて歩く恐竜やらピカチューやらが入ると、自然と目で追ってしまう。
いかん、いかん。
しかも、薄暗いのに全身黒ずくめの大人の集団がいたりするから侮れない。ある人なんか、日本で言うとこの、『学ラン』を着ていて、思わず二度見してしまった。なんかのアニメの影響なんだろうか?
うちはコンドミニアム住みなので、子供がピンポン♪と来てくれることはない。
一度やってみたいんだけどなあ。
ここら辺の戸建ては、3億円、4億円が当たり前なので一生無理。
ちぇ。
〜終わり