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ディズニーランドの刷新で、車椅子の息子と大混乱

8月の終わりの台風の直撃も避けることができ、息子と無事にディズニーランドに行くことができた。

当日は、私の友達が「浦安駅と舞浜駅を間違う」という初歩的ミスを犯したものの、助っ人として参上。

コロナ以前は、一時帰国のたびにディズニーランドに出かけていた。

息子は車椅子なので、入り口付近のカウンターに行って、障害者用の優先カードをもらい、そのカードを各アトラクションで見せると、列に並ぶことなく、待ち時間分が過ぎると、係員の人に別の段差のないルートから乗り場まで連れていってもらえる。

「障害者手帳、お持ちですか?」

毎度、カウンターの人に聞かれるけど、「海外在住でそんなのないんです」言うと、自前の車椅子に乗ってる息子を見て問題なくカードを渡してくれてた。

ところが今回、入り口の係の人に聞くと、「そのようなカードはありません」とのこと。

「障害者であることを証明できる写真付きのID、無いんですか? では、各アトラクションの係員と都度、交渉してください」

えええ。

なんか、とっても腑に落ちない感じがしつつも、最初のアトラクション、パイレーツオブカリビアンへ。

早速、係員さんと交渉するが、安全性と、船着場から車椅子置き場までの距離があるので「無理」と言うことだった。

園内電車なら、車椅子でも大丈夫と言うことで、そちらに向かうが、そこでも相変わらず「写真付きのIDは?」と聞かれる。

これを、毎度繰り返すのか。はあ。

それでも、ここではいつも通りに裏ルートから無事に乗車することができた。

ここでようやく、駅を間違えた友人と合流。

また次のアトラクションに向かう。

「写真付きのID....(以下略)」

今度は列に並べと言われる。

またまた腑に落ちないが、言われた通りに列に並ぶ。

これがなかなか大変で、人がびっしりと詰まった狭い列を、車椅子を押しながら進むのは何気に危ないのだ。大人の目線からは、車椅子の息子がいる空間は目に入らないので、誰もいないと思って踏み込んでくる人がいたり、隣の列の人のバッグが直撃しそうになる。

それらをかわしながら、横に並ぶこともできないので、息子に後ろから声をかけつつノロノロ進む。

その時点でどっと疲れていた。
アトラクション自体は楽しかったからいいんだけど。

そして次のアトラクションで、またも「写真つきのID......」が始まったので、さすがにブチ切れた私は交渉に出た。

「あの〜、このあからさまに身体的障害があるとわかる、しかも海外在住で手帳とかない息子の事で、毎度交渉するの非常に疲れるんですけど。息子もその間、炎天下で待たされるし」

すると、とうとうそこの係員さんが、別の人とトランシーバーで交渉してくれて、無事に障害者ゲストとして登録してくれた。

それからは、スムーズに事が進んだ。

今回初となる、美女と野獣のアトラクションに向かう。

いつもの通り、待ち時間分の時間を潰して、入り口に戻る。

「プライオリティパス用の通路を辿ってください」とのこと。

いつもなら別ルートから入るので、「車椅子ですよ? 段差とか大丈夫ですか?」と確認するも、「大丈夫です。そのまま行ってください」と。

若干、戸惑いつつもも、そのまま通路を進む。

いつも裏口ルートなので、この乗り場までの、お客を飽きさせないような凝った作りデコレーションとか、出し物を見ることができなかった。今回は、それら堪能しつつ進み、道幅も広いので、後ろから来る人に、「追い越してってください」と告げながら自分たちのペースで歩けた。

しか〜も、乗り場に着くと、「このまま一般の人と一緒の列で乗りますか、それとも、別ルートから、ゆっくり乗れる方から乗り込みますか?」と係員の人が聞いてくる。

なんのこっちゃ?

と思いつつ、「じゃあ、ゆっくりの方で」と答えると、指示された先には、まるっきり別の、単独の乗り場があった。

後ろから急かされることもなくそのティーカップっぽい乗り物に乗り込む。動き出すと一般のティーカップたちとうまい具合に合流した。

アトラクション自体もハイテクで進化してて、たぶん乗ってる間中、私は口開けてアホ面してたと思う。

思えば初期に作られたアトラクションは、車椅子の客を想定していない作りで苦肉の策で裏ルートとかを使ったんだろうけど、時代が進むにつれて、そういった仕組みまで進化している事に、ディズニーランドの心意気を感じた。

さっきまで、アプリ一辺倒の園内情報や、息子の優先カードの一件で「もうディズニーには来ねーよ」と毒づいていたのを、スーパー手のひら返しで、「ディズニーすげーな」と、絶賛する私。

おかげで残りの時間は、楽しくディズニーランドを満喫した。

しかし、相変わらず、障害者手帳無い問題は解決していない。

「次回は、ドクターとかからの手紙とかあると大丈夫ですから」とか言われても「ディズニーランドに行きたいので、一筆書いていただけますか?」とは、だいぶ聞きづらい。

しかも、責任問題になりそうだから、書いてもらえるかもわからない。

そもそも、障害者用の入園パスも、『障害者手帳持ちの方』と書かれてて、こちとら一般用を購入してるってのに。

もう行かね。

と思ったけど、やっぱ、息子もまた行きたそうだし、今回行けなかった娘は次回行く気満々だし、どうしようかなあ。

なんか、それっぽい、書類抱えて行くしかないかなあ。

〜終わり