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赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学 - 理化学研究所
背中スイッチ
赤ちゃんの寝かしつけの話で必ず出てくる「背中スイッチ」
「背中スイッチを押さないように寝床に置く」が寝かしつけの命題だと思っていました。
背中スイッチはない
そんな命題に終止符を打ってくれたのが、理化学研究所の研究結果。
え?背中スイッチって無いの!!?? と目からウロコでした。
育児も科学です。科学的根拠を持ってアプローチするに限ります。
-寝た子を起こさずベッドに下ろすには?- 「理化学研究所 プレスリリース」
プレスリリースの解説動画を御覧ください。
本研究成果は、赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できます。
この一文は世の中の親御さんを救う一言になるのではないか。最高の導入文です。
赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見しました。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイミングであり、ベッドに置いた後一部の赤ちゃんは起きてしまいますが、眠り始めから座って5~8分間待ってからベッドに置くことで、赤ちゃんが起きにくくなることが分かりました。
プレスリリースでは 母親 とありますが、もちろん 父親でも可です。
輸送反応
動物の本能として、親が子を運ぶのは「危険が迫っている時」というものです。
そのため、赤ちゃんも本能的に「運ばれているということは、危険が迫っている!! ここで親の邪魔をしたら自分も危ない!!」と大人しくなるそうです。
ベビーカーでのお散歩や車での移動だったら寝る。 というのも、この輸送反応の延長なのかもしれません。
科学的検証からのベストプラクティス
研究結果を読み解くにベストプラクティスは;
赤ちゃんが泣くまで待つ
赤ちゃんが泣く
抱っこして8~10分歩く
赤ちゃんが寝る
寝床に置く
です。
生活のリズムを整える
これも育児をしているとよく言われることです。
言いたいことは分かるけど。と安直に捉えずに、科学的ベストプラクティスの一環として考えると、赤ちゃんの生活は 快適な状態 → 食事 → 寝る → 排泄 のサイクルであると考えればよいです。
このサイクルをうまく利用し、寝る のタイミングを 大人の望ましいタイミングに出来るだけ合わせるためにはこのサイクル全体を考えて 大人の生活も構成すれば良いことになります。
赤ちゃんが泣く
これが重要なようです。
泣いている赤ちゃんは寝やすいが、泣いていない赤ちゃんは寝にくいとのこと。
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![](https://assets.st-note.com/img/1718107045046-8VykW8nHup.png?width=1200)
さすれば、赤ちゃんが泣くまで待つ のが重要です。
無理に泣かせる必要はないので、自然と泣くまで待つのが良いでしょう。
赤ちゃんが泣く理由
明治のサイトによると、赤ちゃんが理由は4つ
1 おむつが汚れている
泣き出したらまずはおむつをチェック。汚れていたらすぐに替えてあげましょう。
2 お腹が空いている
激しく泣く、穏やかに泣くを繰り返します。穏やかに泣いているときに口に触れたものを吸い付くようなしぐさがサインです。
3 眠いとき
布団やパパ・ママの服に顔をこすりつけていたら眠くて泣いているのかもしれません。大人にとっては眠くて泣くのは不思議なことですが、眠気による不快感をどうしていいかわからず赤ちゃんは泣いてしまうのです。おんぶや抱っこをして寝付くのを待ってあげましょう。
4 不快なことや不安なことがある
思い出したかのように間をおいて急に泣き出したら、体のどこかに不快なことがある場合も。おなかが張っていたら、ゲップやオナラがうまくできていないことがあります。また、虫刺されや怪我があるかもしれませんので、全身をチェックしてみましょう。 何かにびっくりしたり、不安になって泣いているだけのこともありますので、どこにも異常がなければ、しばらく抱っこして様子を見てあげてください。
「おむつが汚れたら泣く」というのは、不快感があるのか、出すものを出したから教えてくれているのか。何れにせよオムツチェックは初手です。
「お腹が空いたら泣く」というのは納得です。
赤ちゃんの使命は大きく成長すること。そのための食料(母乳・ミルク)が不足しているとしたら呼びかけている。ということです。
「不快なことや不安なことがあると泣く」というのは、オムツの汚れもふくまれるのでしょう。これも大きく成長するための阻害要因であるとすると納得です。
「眠いと泣く」と言われても「そうですか、そうですか、存分に寝てください。」と正直思ってしまいますが、赤ちゃんも力士も成長に必要なのは同じで「食事と睡眠」。
その睡眠スイッチを入れたいけど入らないので泣く。と考えれば、親が一手間を手伝ってあげるのが良策でしょう。
寝かしつけのためにやること
赤ちゃんの生活リズムと大人の生活リズムが一致している前提で考えると。
快適な状態にして → 食事をして → 寝たいけどねれなくて泣いて → 抱っこして10分ほど歩いて → しっかり寝たら → 置く
のコンボでパーフェクトゲーム達成です。
我が家はこの手法でほぼイケています。
気をつけること
背中スイッチはお腹にある
理化学研究所では背中スイッチについても研究してくれています。
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日本では、眠っている赤ちゃんをベッドに置くと起きてしまう現象を「背中スイッチ」といいますが、実はスイッチは赤ちゃんの「お腹」(親との接触面)にあったのです。
もはや、お腹スイッチです。
抱っこして、ウトウトと寝始めている時に焦らないのが肝です。
眠っている赤ちゃんは、親が抱っこ歩きの際に向きを変えたり、座っている親が赤ちゃんに添えた手の位置を変えたり、親がベッドに寝ている赤ちゃんに触れたりするだけでも、鋭敏に反応して心拍が速くなることも分かりました。つまり、赤ちゃんは寝ているときも、親の行動の変化を常に感知し反応しているのです。
抱っこしている間はできる限り一定の動きを続けることです。
どうすれば眠っている赤ちゃんを起こさずにベッドに置けるのかを明らかにするため、赤ちゃんが起きてしまったグループと眠り続けていたグループで、親の寝かせ方に違いがなかったかを調べました。
親が赤ちゃんの体を置く速度や、体のどの部分を一番に置くかなどが違うのではないかと考えて細かく調べましたが、二つのグループの間で差はありませんでした。
唯一、二つのグループではっきり違っていた点は、ベッドに置く前の赤ちゃんが寝ていた時間の長さでした
背中スイッチを避けるために、足から寝かせる、そっと寝かせる、などなどの施策は無駄なようです。
とにかくしっかり寝入ってから置くことです。
赤ちゃんが眠り始めてから5~8分間ほど待つと、より深い睡眠の段階に入るため、赤ちゃんが起きにくいと考えられます。
快適な状態にして → 食事をして → 寝たいけどねれなくて泣いて → 抱っこして10分ほど歩いて → しっかり寝たら → 置く
で、ストレスのない寝かしつけ生活となることを願っています。
※ 理化学研究所 の原文も参照下さい。