30歳最後の日、あいも変わらず愛が欲しい
毎年誕生日前日になると妙にソワソワしてしまうこの現象に名前をつけるとしたらなんだろう。
ソワソワの証拠に、個人ブログの更新がどれだけ滞っていても、誕生日前日には毎年しっかり記事を書いている。変なブログだ。
最初の日よりも最後の日の方が長く感じるのは、「◯歳には二度と戻れない」と思っている自分がいるからだと思う。
まあ急に焦ってやり残したことを探しても、大したことは思い浮かばないんだけれど。万が一なにか重要なことを思い出したとしても、大抵のことはもう手遅れだし。
前日をいくら噛み締めても、誕生日はやってくる。
その誕生日当日もいくら噛み締めたって、“◯歳2日目”以降は普段通りの日々なのだ。
ソワソワするのは、暇なせいもある。
去年オーストラリアdeヒッチハイク旅中に迎えた30歳の誕生日は、from サンシャイン・コーストのジュリアンと西オーストラリア州にある世界遺産、シャーク・ベイへ行き、シェル・ビーチやモンキー・マイアを巡った。
夜はナンガのキャラバンパークで海水シャワーを浴び、もりもりと協力してBBQグリルで無理やり晩ご飯を作っていたところ、ロッジに宿泊していた夫婦がキッチンを貸してくれた。そこでの会話中にもりもりがふいに「え、今日誕生日じゃね?」と言い出したので頷くと、夫婦が「Happy Birthday!」と言ってくれた。
30歳のあの誕生日は、今までで一番おかしくてヘンテコで、絶対に一生忘れないと自信を持って言える日だった。
そんなヘンテコさが今年はないから、実に暇である。
作った本を売るために日本に帰ってきてもうすぐ2ヶ月が経つ。
あらゆることが一旦落ち着いたら、なんか知らんけどめちゃくちゃ病んだ。これが燃え尽き症候群ってやつか?
一番相談したい人に相談できないのが苦しくて、酒を飲んだり友達に電話したりして一生懸命脳を騙し、どうにか一日中作業に打ち込む忙しいながらも平穏な日々を取り戻そうとした。
そうしていると少しずつ気分が落ち着いてきて、「まあどんだけ考えても結局なるようにしかならんしな。人間誰しもいつかは死ぬし」という考えに至った。
「他人はどうにもできんけど、自分のことは自分でどうにかできるやん。てか大体いっつも考えすぎながって!overthinking!」と、私の中のターコイズブルーがとうとう声を荒らげたのだ。
怒られてしまった私の中のピンクは、ようやく頭を引っ込めた。つい昨日のことである。
今朝地元の神社を参拝したら、なんだかスッキリした。
歳が変わる明日からは、考えてもわからないことを考えるのをやめる。もっと軽やかに生きよう。
ちなみにおみくじには「色に溺れ酒に狂えば凶なり」と書かれていた。
以前横浜の(美)魔女と呼んでいる友人のおみくじに「平安を守りましょう」と書かれていたのを思い出して「ウケw」と思っていると、その数時間後に(美)魔女から着信があった。
彼女が平安を守られているかはさておき、私は色にも溺れず酒にも狂わないとここに誓う。