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491. ビジネスホテルの受付にあるペン

とあるビジネスホテルに宿泊した。

チェックインする際に宿帳に名前を記入する。

インターネットで予約しているのにあの宿帳を書く意味が分からない、ということを言う人も世の中にいるようだ。
これは単に想像なのだが、万が一その宿がお巡りさんのご厄介になる場面に遭遇した場合、その日に宿泊していた人の名簿を出して欲しい、となった時に取り急ぎ紙の束を出せるようにしているのではないだろうか。

話がずれてしまった。

ぴらりと1枚の紙が目の前に置かれ、名前を書くように言われる。
ほんの数秒のことに争っても仕方がないので、おとなしく宿のシステムに従う。
ボールペンを使おうとペン立てを見たところ「消毒済」と「使用済み」に区分けされているものになっていた。
そこに入れられているペンを見て驚いた。
銀色に輝くそれらは全てCROSSのボールペンだったのだ。

なぜCROSSだとすぐに分かったのかというと、父がまだ会社員だった時に愛用していたからである(今は万年筆を主に使っている)。
軸が細くて滑りやすいので、大きく乾燥している手では少し持ちづらい。
少しお高いペンなので自分で買おうと思うと少し思い切りが必要だ。
改めて金額を確認したら、1本4000円ぐらいはするようだ。

ペン立てには少なくとも4本は入っていた。
そして窓口は3つあるので12本ぐらいは常備しているものと思われる。
CROSSは本体だけではなくインクも高いので維持費にお金がかかりそうだな、と余計な心配をしてしまう。

決して高級ではないホテルに、高めなボールペンがあると少しちぐはぐさを感じてしまうものの、宿泊客が最初に触れるところなので実はちょうど良いのかもしれない。

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