見出し画像

持家借家論争(3)

資産であり、金融商品であり、節税の道具であり、投資対象であり、毎日の生活の場でもあるイエ。

自分のライフスタイルにあった大好きな物件があり、予算がマッチするのであれば、買うのも良いと思います。

敢えて、購入する際に考えておくとしたら下記でしょうか。

①その物件に価値があるか

価値と言っても心理的な価値もありますので、そちらについては十人十色。ここは議論の余地がありません。

一方、経済的、財産的価値についてはある程度決着が着いていると思います。一言で言えば、買った時より高くなって儲けがでる物件か、ということかと思います。居住用の物件で言えば、いまのところ東京であれば千代田区・港区の物件が投資対象にもなりやすく、大きく言うと外れる確率は低いです。売却時に同額か利益が出るくらいで売れればタダで住めたことになるので万々歳ですね。

またその他の地域でも、今後の価値観の変化によっては変わるかもしれませんが、駅に近い、周囲の施設が充実している、地盤がしっかりしている、というところは価値が維持しやすいでしょう。

②ローンを組むか

ローンを組んで買う場合には、そのローンが、何年続き、毎月幾らの支払いで、金利は変動なのか固定なのかという点にも注意が必要です。

例えば30年ローンを組んだ場合、月々の支払額にもよりますが、その物件に自分の人生が固定され、フットワークが重くなる可能性があります。またライフスタイルの変化にも対応し難くなりますので、その覚悟は必要かもしれません。家族構成の変化により居住環境を柔軟に変えるのが少し大変になりますね。

また、長期で変動金利のローンを組むと、金利が上昇した場合には月々の支払が難しくなることがあるので注意が必要です。そもそも30年なんて全てのことが見通せないくらいの月日ですので、できれば20年以内の固定金利のローンがリスクが分かりやすくて良いかと思います。(その位のローンであれば、インフレヘッジした寧ろ効率的なリスク防衛資産になります。)

③その他の諸経費

持家を買えば、建物の劣化による修繕が必要になりその積立がいりますし、固定資産税もまあまあバカにはなりません。それらも含めた上で、持ちこたえられるか検討する必要があります。

④最後に

自分が住む持家と思うと感情がこもってしまい冷静になりにくいのですが、事業用地として買うか、借りるかを考えると想定すると多くの場合は費用計上でき、リスクも把握できる賃貸が圧倒的に有利という判断になることが多いと思います。

後は、個人の家の場合には、現金よりも相続の際に優遇を得られるため、結局は子孫に資産を残すための一つの手法が、感情と結びつき持家信仰につながるのではないかなと思い至りました。

不動産は相続税100%と言われたら誰も買わなくなってしまうようにも思います。

と言うことで、持家借家論争を終結したいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!