持家借家論争(2) 恩讐の彼方に
持家借家論争ですが、結論として正解はありません。それは家に対する目的によって答えが異なるからです。
不動産を投資目的として所有し、資産として保持していくという考えがあるのであれば持家にすることは合理性があります。反対に、家は経費でしかない(個人の場合経費処理ができませんが)という考え方であれば借家でも良いのかもしれません。
また、よく聞く「どうせ家賃を払うのであれば、最終的に自分のものになる持家の方が良い」という論もある意味で正しく、誤りでもあります。
不動産を購入するということは、自分の現金としての資本を不動産に固定化するということです。(現金なのか不動産なのかという違いに過ぎません)なので最終的に持家になったとしても、その持家の価値が下がってしまい家賃として払ったであろう以上の損が出てしまうのであれば、それは金融的な合理性はないということになります。(例えば家賃として毎月8万円、年間96万円で住める物件を買い、その物件が年間100万円以上値下がりをした場合は結局借りていた方が良かったということに原理的にはなります)
そのため、
何故持家を買うのでしょうか?
という目的をよく考えることが重要になります。
一般的な傾向としては下記が言えるのではないかと思います。
持家派向きの考え・・・持ち家は投資対象であり、買おうとしている物件は投資対象として優れている。 生活や家族のスタイルがある程度固定されているので住み替えの予定がない。仮に価格が下がったとしてもここに絶対に住みたいという迷いがない極致に至っている(笑
借家派向きの考え・・・家の費用はあくまで経費であり、固定費を抱えたくない。いろんな場所に住んでみたい。生活や家族のスタイルに変更がある可能性がある。どうせ人口が減少していくのだからもう少し先の不動産価格が安くなったところで買いたい。不動産も古くなれば資産価値が無くなって行くのだからその減価分は抱えたくない。
では次回は上記の傾向についてもう少ししっかりと分析していきたいと思います。