The White Lounge

特に考察などもなく、ただつらつらと忘れないうちに書き綴っていくだけ。

#1 マスカレイド


マスカレイドとは、「仮装パーティ」「仮面舞踏会」「見せかけ」だ。
なるほど、なるほど。

「仮面」か。

#1はただ一曲。
書き下ろしの

「The White Lounge」


この大森節は強く強く胸に刺さった。二度目に映画を見た時に気がついたのは歌詞の中に9つの物語の要素が入っていること。
#1マスカレイド「仮面で顔をかくす」
#2水と影「人々は仕事で疲れてる」
#3手紙(過去との会話)「想いを寄せた人を思い出してる」
#4反射「びしょ濡れで怒りを放って光を探してる」
#5愛という種「人々はチグハグに愛してる」
#6青さのカケラ「青さのカケラを拾って」
#7.8.9虚構と虚像、僕の一部、終わりの始まり「華やかにステージを飾って終わりを始めた。」


本当は大声で助けてと言いたいけれど嫌われたくはないから今日も
「仮面」で…
このままじゃいけない、本当は見抜いて愛して欲しい…

こんなに大森元貴なことがあるだろうか。

そして、最後の最後、「もうすぐ我儘は終わる?」
言わずもがな、Attitudeから来ているのだろう。「我儘」は大森の音楽活動だ、というのが通例だが今回に限ってはその命のようにも思えた。

疑問系。
終わるのか自分でもわかっていないのか、それとも反語なのか。
反語であれば、少し嬉しい。


「誰もが怯えてる白い部屋には独り達」

そうだよね、って少し安心した。



#2 水と影

ネクタイを緩める大森。この後のダンスホールで若井、藤澤もネクタイを緩めた途端に踊り出していた。
「大人」「建前」からの解放といったところか。


「Folktale」


冷蔵庫からボトルを取り出し、バーカウンターに座ってコップに水を注ぐ。音が静かで神秘的だった。

「涙が枯れたと言うなら」
椅子に腰掛け、女性と対面し共に踊る大森。君=女性なら、意味ならわかるでしょ、わかってくれるでしょ。ってこと?



#3 手紙(過去との会話)


タイプライターで手紙を書く。

「お久しぶりです。お元気ですか? 僕のこと、覚えていますか? 僕はあれからずっと、君のことを考えています。でも、考えれば考えるほど、わからなくなるのです。」

すれ違い、か。


「君を知らない」

明らかに、手紙の相手とのすれ違い、別れ。
ダンスでもそのような描写があった。泣き出しそうな声で歌う大森。



「ダンスホール」

「また君と踊れたらいいのに。そしたらどんなに幸せだろう。あの頃みたいに。」

震える手を押さえ、次のフレーズを歌うのを躊躇いながら、そうして痛々しくアカペラで歌い上げる大森。
その後、これぞ虚像とでも言うかのように、明るいサウンドで踊り始める。初めは止めていた若井、藤澤もネクタイを緩め、一緒に踊る。

ダンスホールはただただ明るい曲だと言うのが通例であろうが、そうではない、と言うことが今回のアレンジで伝わると良い。


#4 反射

「ツキマシテハ」

椅子を壊し、テーブルを殴り、怒りに狂いながら歌う。ダンサーに暴れているのを止められているような、それに反抗しているような。
この世を憂う少年大森と汚い大人たちのように見えた。

間奏の咳き込みはなんなんだ、と思っていると、Xで「喘息のようだ」とおっしゃる方がいた。大森が今も苦しんでいるもの。「喘息=苦しみ」の等式は、ゼロではないはずだ。

そうでなくても、あそこまで咳き込むのは単純に苦しいよね。いまだにあの表現が何を意図しているのか、掴みきれないでいる。

怒っているのに泣いているような表情。歌い上げたかと思えば、絶叫した。それは魂の叫びであるはずなのに、綺麗で、音楽を彩る一要素となっているのが皮肉に思えた。

大きく肩で息をしている。泣いているのか。



#5 愛という種


「Coffee」

幸せなのに、何か足りない。大森はトマトが苦手なはずなのに家庭菜園でトマトを栽培しようとする彼女。これも、すれ違い。ブラックコーヒー、大森さん苦手ですか?


「ニュー・マイ・ノーマル」

たくさんのカップルがすれ違う中、プロポーズに成功。まあ、とりあえずよかったね。プロポーズは無言で終わってしまったけど。


「PARTY」

いつか生まれる君が、で赤子を抱く仕草をしていた。あったかかった。




#6 青さのカケラ

若井と女性がお花見に来ている。しかし満開ではないらしい。女性はリベンジしたがったが、若井は行きたくなさそうに断る。
演出上女性はステージに残らなければいけないから、だとは思うが、若井がズンズン歩いて行って女性がついていけていなかったのには胸が痛んだ。ああ、ここもすれ違っている。


雨に打たれ歩く大森。男性とぶつかり、舌打ちをされて謝る。

「嫌だな。もう、何もかも嫌だ。ひとりになりたくて、でもひとりになりたくなくて、誰かに傍にいてほしくて。でもひとりになりたくて。そんなことぐるぐる考えている自分が嫌になる。もう何もかも、嫌になる。」


「春愁」

人が大嫌いだ、と歌う。
本当は大好きだ。

前述のセリフ同様、矛盾なようで矛盾じゃないような。誰もが持ったことがあるであろう感情。

座り込む大森に女性が傘を差し出す。簡単に買い物の予定を取り付けられてしまった大森。
渋ったのは、これ以上思い出を増やすとつらいだけだから、だと思った。



「Just a Friend」

思われていないことなんてわかっている。それでも、一緒に踊れたら楽しくて、ああ、これがずっと続けば良いのに。

選んだ服は笑顔で却下され、それでも大森が代金を払い。
彼女の好きな音楽を一緒に楽しんで、ご飯も食べて。

身だしなみを整えて、緊張でどうしようもない手汗を拭いて。

今日だけは話を聞いて、今日だけは僕の目を見て……くれるはずもなく。

ラスサビは残酷なほどにリアルで、痛々しくて。どうしようもない感情を歌に乗せる大森を直視することができなかった。

「え、、?」で笑ってしまった、という意見が多くて、ああなんか受け取り方違うのかも、と思った。でも彼らは自分がどう感じたかが大切、と言ってくれたから、これでいいのだ。

「え、、?」のシーンは確かに笑を誘っているのだろうけれど、私にとっては悲しくて悲しくて仕方がないシーンだ。


「Attitude」


打って変わって明るく、この曲を歌い踊る。

明るく、明るく。その後の「そう、偶像」
まさに。



#7 虚構と虚無


「Feeling」

ジャジー!!!なことに興奮してそれ以外に対して記憶が残っていない。2回見てこれか……


藤澤登場。
「夢のような現実を、現実のような夢を、」

見せてくれた夢?現実?は

「ケセラセラ」

こちらは完全にステージが作り上げられていて、それこそ虚構。そして、終わればすぐに夢から現実に。寂しいのは誰より本人たちなのかもしれない。そうしたら、さっきのステージはきっと虚像でもある。


「Soranji」


頑張って、踏ん張って、現実と向き合っている。

Soranjiはいつだって苦しい。



#8 僕の一部


ここまでを回収するかのような「The White Lounge」
正直ここで終わると思った。



#9 終わりの始まり

「フロリジナル」

いまいち掴めないのだ。ただ、悲しい、寂しい感情が湧き上がってきた。

それでも音は暖かい。


いいなと思ったら応援しよう!