
心理学検定キーワード第1章【原理・研究法・歴史】1.3-(質的研究と量的研究)
研究法の分類最後です
前回の単元で、実験的研究と相関的研究の2つの分類を学びましたね。
軽く復習ですが、この2つの違いは
変数の操作を行うか、行わないかの違いでした。まだ、読んでない人は是非読んでみてくださいね。
そして、この実験的研究及び、相関的研究の際に使用するデータが
数量化されたデータなのか、言語的な記述データのままなのかによって分類される研究があります。
・量的研究(数量化されたデータ) 定量的研究ともいう
・質的研究(言語的な記述データ) 定性的研究ともいう
です。本日のまとめはこの2つの研究についてと周辺の知識を。
特に尺度水準というものがメインになるのでしっかり理解しましょう!
では、まとめの方はじめていくぅーー!!
→まとめ1.3-(質的研究と量的研究)
とにもかくにも、まー研究の分類が多くて困る。
そこまで分類する必要ある?って最初は思ってましたねw
ただ、自分なりに深堀していくと、研究というものが非常に高い知識と技術を駆使して行われるんだなと改めて感じました。研究者って本当にすごいと。
大学で改めて学び直して、臨床の分野をしっかりと勉強したいという気持ちにもなりました。
研究には方法が沢山存在します。それを抑えないと自分で研究できません。
研究にはデータが必要になります。データ自体に種類があり、分類方法があって、また、データ間の関係を解析する解析方法がある。
さらにデータそのものが納得いくかの基準もあります。
データデータうるせえw
何が言いたいかというと、最初の3単元は原理原則の基礎なんですね。
だから、絶対に抑えないといけないよってこと。
→獲得できるデータと尺度水準
量的研究、質的研究で得られるデータは上記で記載した通り
・数量化されたデータ
・言語的な記述データ
でしたね。そして、さらにこのデータを細かい性質で分類する代表的な水準があります。
尺度水準といいます。スティーブンス(Stevens,s.s.)さんが設定しました。
これが試験では頻出!!理解と深堀りが超大切です。尺度水準は4つあります。
①名義尺度 性別:男・女 血液型:A型・B型・AB型・O型
②順序尺度 総選挙の順位:1位・2位・3位
③間隔尺度 気温:-10℃と0℃ 20℃と30℃
④比率尺度 長さ:10cmと30cm 50cmと70cm 50cmと1m50cm
まずは、水準の名前と具体例を抑えてもらった上で、各水準の特徴を理解していきましょう。実際の試験ではかなり深堀りした内容も問われます!
問われる内容としては
・尺度水準の名前と具体例等の基本的な問題
・四則演算が可能かどうかで分ける問題
・大小関係や、比率関係の性質の高さで並び替える問題
・統計的分類や解析での分類を問う問題
なんかがあります。以上の観点をもとに各水準を説明していきます。
①名義尺度 データをあくまでも区分する為のものです。
例としては性別を男女に分ける、もしくは血液型で分ける等。
男は1、女は2という数値で表した場合、この1と2という数値に特に意味はありません。
逆に男は2、女は1としても何も問題ありませんよね。ただの区分だからです。
また、男は1、女は2で女の方が1多いから優れているとかもありませんね。数値の差にも何の意味もありません。
よって四則演算(+−×÷)する事は出来ないわけです。
男1×女2=?? こんな事しても全く意味不明です。
大小関係や比率関係の性質は全くないですね。
②順序尺度 データの大小には意味があるが、データ間の間隔は一定ではないものをいいます。
例として順位が解りやすいですね。総選挙で1位、2位、3位とか。
2位よりも1位の方が優れている。これはその通りですよね。大小関係は成立している訳です。
一方で、2位は1位と3位のちょうど中間である。これについてはどうでしょうか?
総選挙の投票数の結果が等間隔であるなら中間である!といえるかもしれませんが、普通そんなことはありません。
1位の投票数が10万票、2位の投票数が3万票、3位の投票数が2万票の場合
ぶっちぎりで1位が優れていますし、2位と3位は僅差です。このような事が起こりうる時点で、データ間の間隔が一定という条件は満たされません。2位がちょうど中間だと言えない訳です。
よって、四則演算も不可能です。2位と3位を足したら1位になる事もあり得ませんw
先ほどからいうように、大小関係は成立しているので、名義尺度よりは性質が高いと言えます。ただ、名義尺度と同様比率関係はありません。
③間隔尺度 データの大小関係とその間隔の差に意味があるけれど0は相対的な意味しかもたない数値のことをいいます。
ポイントは0の意味ですね。説明して行きましょう。
例としては気温がわかりやすいです。
-10℃と0℃ 20℃と30℃とか。
0℃は-10℃よりも気温が高いといえますし、そこに意味があるので大小関係は普通に成り立ちます。
また、-10℃と0℃、20℃と30℃の差は共に10℃という明確な間隔の差があります。変化量が一緒という表現もできます。
「本日の最高気温は昨日から10℃上がり30℃になる予想です」と言われたら
「ああ、昨日の最高気温20℃から10℃上がって30℃か、暑いな。」となる訳です。
一方、30℃は20℃の1.5倍暑い!と明確にいうことは出来るでしょうか?
数値自体は確かに1.5倍ですが、そこに意味をつけることは出来るでしょうか?
無理じゃないですか??w
よって、四則演算は足し算と引き算は可能ですが、かけ算と割り算は出来ません。
そして、順序尺度に間隔の差に意味があるという特徴が加わるため順序尺度よりは性質が高いと言えます。
さて、0についてはどうでしょう?気温は0℃が成り立ちます。また、マイナスの気温もあります。
「今日の気温は0℃、よって本日の気温は存在しません」とはなりませんw
相対的な意味しか持たないというのは「0が絶対的に無い、無という意味にならない」ということです。
次の比率尺度を説明するとさらに理解できると思います。
④比率尺度 データの大小関係とその間隔の差に意味があり、0が絶対的な意味をもつ数値のことをいいます。
最後です。
例であげたのが長さ。10cmと30cm 50cmと70cm 50cmと1m50cm等
10cmと30cmなら30cmの方が当然長い。大小関係が成り立つ。
10cmと30cmの差と50cmと70cmの差は共に20cmで間隔の差に意味がある。
また、30cmは10cmの長さの3倍です。50cmと1m50cmの比較でも3倍。
かけ算しても意味が成り立ちます。
よって、四則演算の全てが可能になります。
性質としても全ての性質を持ち合わせる尺度になります。
0についてはどうでしょうか?
長さが0ということは、絶対的に長さは無いと言えますね。
マイナスも存在しません。身長がマイナス1mとかあり得ないですよねw
別の例として、時間とかも同じです。
時間が0なら、絶対的に時間は無いと言えます。時間がマイナスもないですねw
もし、時間にマイナスの概念が存在したらそれは過去にタイムスリップできる事になります。
出来るならしてえわw
以上、4つの代表的な尺度水準の説明をした訳ですが、1つだけ忘れている説明があります。
統計的分類や解析での分類です。これが結構むずかしい。。
→用いられる解析と尺度水準の統計的関係等
まず、前提として質的研究と量的研究の2つと尺度水準の結びつきについて説明します。
質的研究は言語的な記述データが主になるため、尺度の相性が良いのは名義尺度と順序尺度になります。
一方、量的研究では数量化されたデータを用いる事が出来るため、全ての尺度の利用が可能になります。
これをふまえると
名義尺度や順序尺度を求める質的研究では、平均値や標準偏差などで分析する事が不可能です。
よって、解析方法としてはノンパラメトリック検定(説明は後日。とりあえず今は言葉だけふーんて感じで0K)というものが主体となります。
一方、比率尺度まで測定する量的研究では平均値や標準偏差で分析する事ができます。
よって、解析方法としてはパラメトリック検定(こちらも説明は後日)というものが主体になります。
また、後に統計の分野で出てくる統計手法と尺度水準とに深い関係があります。
得られたデータの正規性(正規分布かどうか)で統計手法が変わってくるという事です。
まあ、??ですよねw
むちゃくちゃざっくり言うと、正規性は正規分布かどうか
つまり、【通常の、ごくありふれた確立で出てくるデータのばらつき具合】みたいな感じと思ってください。
グラフで言うと
こんな感じで左右対称の規則的なデータのグラフになります。
そして一般的に
名義尺度・順序尺度は非正規分布です。
間隔尺度・比率尺度が正規分布と言われています。
ですので、上のグラフのようになるのは正規分布である間隔尺度と比率尺度のデータになります。
→本日のまとめ(暗記用)
表にまとめてますので分類とキーワード暗記用にどうぞ
以上!
1.3(量的研究と質的研究)のまとめでした。
少しでも理解できるよう、興味を持ってもらえるように工夫しながらこれからもまとめ頑張りますので
目に留まった方は是非、スキ!お願いします!!
長文にお付き合いありがとうございました。では次の単元で!