心理学検定キー7ワード第5章【臨床・障害】5.21(子供の発達障害)★★
発達障害なんて言葉、自分が子供の時聞いたことなかった
まあ、そもそも、この言葉が大きく世に出てきたのが
平成17年の「発達障害者支援法」によるものとされているから
大人です、もうw
私が言葉として初めて知ったのがそれからさらに後です。
本日は子どもの発達障害ということで
発達障害の定義と、その中に属する症状についてまとめていきましょう。
それではいきまーす。
→発達障害とは、その定義
きっかけは2002年に文科省が公立中学校に実施した調査によります。
それによると、6.3%の児童生徒が学習面または行動面で著しい困難があるとされ
発達障害の早期発見・早期支援が目指されることになりました。
そこで2005年(平成17)施行の発達障害者支援法にて
発達障害の定義が
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」
とされています。
→発達障害の成り立ち
今日の発達障害は1943年にアメリカの精神医学者
カナー(Kanner,L.)によって提出された自閉症(Autism)概念に端を発しています。
当時自閉という言葉は
外界とのかかわりを避けて自分の世界に閉じこもる、精神分裂病(現在の統合失調症)の症状とされていましたが
カナーは精神分裂病の自閉と質的に異なるのではないかという事で
新しく自閉症という診断カテゴリーを発表したことによります。
また、オーストリアの小児科医アスペルガー(Asperger,H.)が
言葉の遅れが目立たない「自閉的精神病質」の症例を報告し
その業績はウイング(Wing,L.)によって再評価されて
アスペルガー症候群として広まりました。
発達障害の概念はその後も流動的な経緯をたどりますが
1980年のDSM‐Ⅲで広汎性発達障害(PDD)という名称が登場し
DSM-ⅣでPDDの亜形としてアスペルガー障害が位置付けられました。
さらにDSM‐Ⅴではカテゴリーではなくディメンジョン診断が採用されて
自閉症、PDD、アスペルガー障害は自閉スペクトラム症(ASD)にまとめられました。
→ASDの特徴
ASDは知的能力障害群、コミュニケーション症群、注意欠陥・多動性症(ADHD)、限局性学習症、運動症群などどともに神経発達障害の大項目に属し
成人になってからの診断可能性が考慮されました。
ASDの特徴として
・アイコンタクトなどの情緒的触れ合いを苦手とする
・相手の表情やジェスチャーが読み取りづらい
・お世辞やたとえ話が理解できず真に受けてしまう
など、社会的コミュニケーションの困難を抱えています。
また、別の特徴として
・特定の音や刺激に非常に敏感になる
・痛みに鈍感である
などの、感覚異常がみられることがあったりします。
ASDの支援では
社会適応能力がの評価に重きをおいて、支援のための重症度水準が設定されています。
→ADHDの特徴
ADHDの特徴としては
・遊びや課題において、集中力が維持できない
・忘れ物や聞き間違いなどの不注意
・落ち着きがなくじっとしていられない
・順番を待つことができない
等があり、こういった困難から友人関係や学校生活で明らかな問題を抱えることになります。
治療には薬物療法の他に
障害特性に合わせて周囲の大人の対応を変化させる(ペアレントトレーニング)ことなどが有効と考えられています。
→学習障害全般の特徴
学習障害は全般的な知的発達に遅れが無いのが重要で
算数だけが苦手
文字が書けない
文字が読めない
年齢に見合ったまとまりのある文章を書けないなどの
特定の領域の学習スキルの習得と使用困難を示すものです。
その背景に認知障害があると推定されています。
また、学習障害はASDやADHDと重複して現れることが多いとされていますが
知的能力障害と学習障害は医療領域では区分されています。
以上、本日は子供の学習障害についてでした。
次回は精神疾患についてです。
それではまた次回