心理学検定キー7ワード第5章【臨床・障害】5.23(心身症と摂食障害)★★★
心身症はだれでもなる病気なの?
メンタルヘルスマネジメントを勉強していた時に
このセクションが少しややこしかった記憶があります。
心と身体と書いて心身症。
本編で定義が出てきますが、
ほとんどの方が一度は経験されているかもしれません。
私自身も
片頭痛、アレルギー性鼻炎など、普通にもっています。
意外と身近に存在する心身症ですが、その定義を知ることで理解できるかとおもいます。
それではまとめのほう行きましょう
→心身症とは
心身症は
「身体疾患の中で、その発症や経緯に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態」(日本心身医学会)
と定義されています。
ポイントは
・症状は具体的に身体に現れるということ
・原因が心理社会的であること
よって、精神疾患を取り扱っているDSMには
心身症という疾患名は存在しません。
具体的な症状としては以下の図を確認してください。
心身症患者に特有な心理特性として
アレキシサイミア(失感情症)というものがあります。
これは
自分の感情の認知や表現が難しく、想像力に乏しい状態です。
→摂食障害
摂食障害とは
摂食行動の異常を主症状とする障害を包括したものです
狭義には好発年齢や精神病理、症状の特異性から
・神経性やせ症(AN)
・神経性過食症(BN)
に分けられます。
特に女性に多く、発症年齢は10~20歳代にピークがあります。
神経性やせ型(AN)の特徴は
・正常体重の最低限を維持できないような体重減少
・体重増加や肥満への強い恐怖
・自己の体型に対する認知の障害
・自己評価に対する体重・体型の過重な影響
・低体重の否認
等があります。
重症度はBMIに基づいて分類して
制限型と過食・排出型の2タイプに分類されます。
神経性過食症(BN)の特徴は
・過食エピソード(明らかに大量の食物を摂取して、制限できないという感覚)
・体重増加を防ぐために不適切な代償行為を繰り返す
というものがあります。
ANは極端なやせに伴う無月経、低血圧、便秘、貧血
BNは過食によるむくみや電解質異常などがみられ
5%が死に至ります。
体重30㎏以下の場合は生命の危機として入院が必要です。
治療に関しては患者との信頼関係に基づいて体重の回復に行動療法をとりいれ、
体型や自己像などの認知の歪みには認知行動療法などの心理療法を併用することになります。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・心身症は身体疾患である
・医療では心療内科を利用することが多い
・心身症患者の特有な心理特性としてアレキシサイミアがある
・摂食障害には神経性やせ症と神経性過食症がある
・神経性やせ症はBMIに基づいて重症度を分類する
・BMIに基づいて、制限型と過食・排出型の2タイプがある
・神経性過食症は、明らかに食べ過ぎて制限できない、不適切な代償行為をくりかえるなどがある
・摂食障害で死に至ることがある
以上、本日は心身症と過食障害についてでした
次回は認知症とせん妄についてです。
それではまた次回