【読書録】組織行動 組織の中の人間行動を探る


本の概要

タイトル:組織行動 組織の中の人間行動を探る
著者:服部泰宏・鈴木竜太

人が組織の中へ、どのように入り、周囲が関わり、成果を上げるプロセスでとる行動とその裏側のシステム。またそれを意図的に仕組む上で考慮するポイントやシステムをどう構築するのかが記載されていました。
組織や人の課題は、対処療法で解決するのではなく、絡み合った糸を解き整理し整え組み直す作業だということが理解できました。

内容要約

第1部 組織の中の人

個人のモチベーション、組織への馴染み方/馴染ませ方(組織社会化)についてなど、主に組織の中の個人に焦点があたって記載されています。

第1部 組織の中の個人
 第1章 行動を駆動する力:ワーク・モチベーション
 第2章 やりがいの設計:職務設計と内発的動機づけ
 第3章 やる気を引き出す評価:公平理論と組織的公正
 第4章 組織とのよき出会い:採用の意思決定
 第5章 組織に馴染むプロセス:組織社会化
 第6章 組織と個人の約束:心理的契約と離職モデル

組織行動 -- 組織の中の人間行動を探る

心理的安全性が大事だということはよく聞くが、分解すると組織との「心理的契約が醸成できているかの方が重要ではないか。
個人の組織への期待と組織から個人への期待が接合されているのかが大事で、結果としてモチベーションへつながっていく。

個人の成長にリアリティショックは大事という話。
組織の中に入った個人はリアリティショックを受けるのはよくあることです。ならばショックを受けないようにすればいいと言うわけではないです。リアリティショックは悪ではなく、成長のためのドライバーになるため、リアリティショックを受けないようにする必要はないと言うことです。その後のアンラーニング→ラーニング→醸成→フィードバック→リアリティショック→アンラーニング・・・のサイクルが回るような組織体制だったり、その個人が経験学習するノウハウを持ち合わせていれば乗り越えることができ、結果として組織へ早く馴染み&早期成果を出せるようになるということです。

第2部 集団と組織のマネジメント

リーダーシップとリーダー、コンフリクトについて記載されています。

第2部 集団と組織のマネジメント
 第7章 マネジャーの仕事:モチベーション論とリーダーの行動
 第8章 組織を動かすリーダー:変革型・カリスマ型リーダーシップ
 第9章 集団の持つ力:グループ・ダイナミクス
 第10章 もめごとを乗り越える:コンフリクトと交渉
 第11章 貢献を引き出す関わり合い:文化とコミットメント
 第12章 「私らしさ」と「我々らしさ」:組織アイデンティティ

組織行動 -- 組織の中の人間行動を探る

リーダーシップが発揮できると、集団(組織)の成果に寄与をします。
逆を言うと、集団の成果のためにはリーダーシップが必要であると言えます。そこで、リーダーと呼ばれる人がリーダーシップを発揮し・・・と言うのは正しくはあるが正しくはないと言えます。

リーダーはリーダーシップを発揮することが求められますが、役職リーダーではない人もリーダーシップを発揮することが、多様性の受け入れや活用につながります。多様性=さまざまな考えの人が集まると、コンフリクトが発生します。生産的なコンフリクトは、組織に属する人のモチベーションへと還っていきます。
そして各個人がリーダーシップを発揮し成果を出すことが、組織へも還元されると言うサイクルが回り、組織のアイデンティティが醸成され、いわゆる良い組織になります。

学んで実践したこと

  • 中途入社者のオンボーディングの仕組み構築を実行しました。

    • オンボーディングのゴールを2つ設定しました

      • 会社に馴染む

      • 成果を出す

    • 会社に馴染むためのプロセスの中をさらに3つに分解しました。

    • リアリティショック⇨アンラーニング⇨醸成⇨振り返りのサイクルが個人が自然に通る仕組みを作ることで組織化と定着化を促しています。

  • コンフリクトとの向き合い方の変化

    • コンフリクト=怒られるという恐怖心があり、コンフリクから逃げる癖がありました。FB(フィードバック)も同様です。

    • 良いコンフリクトは生産的、悪いコンフリクト非生産的であるということから、良いコンフリクトとは向き合った方が得なのではないかたと考えました。

    • 良いコンフリクト=生産的な意見・助言を得るための仕掛けを作るようにしています。まだ実験中ですが。

まとめ

「個の集合体が組織である」が個が集まれば「組織」になるわけではないと言うことが理解できました。
またリーダー=リーダーシップではなく、またリーダーシップやリーダーの型にも様々存在しています。必要な型を引き出し扱えるようにトレーニングしサポートすることが自分自身にできることだと考えました。

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