熱にうかされて会いたいと思ったとき、泣きそうだった

久々に高熱を出した。
38.5度の熱は、関節をギシギシいわせて「痛いよ」とうわごとを口にさせる。

高熱で仕事を休んで、一日中ベッドの中で寝込んでいた。
一人暮らしの私を看病してくれる人はいない。ポカリスエットだって、りんごジュースだって、病院からの帰り道に自分で買った。 

身体の節々が痛くて泣きそうな時に思い浮かんだのは、母でもなく彼の顔だった。
看病してくれる妄想とかではなく、ただひたすらに彼との幸せな時間を思い出していた。

つい最近、決めたことがある。
この恋が叶わないとしても、気持ちを伝えよう。

大好きな彼に「好き」と伝えよう。
断られるのはわかっている。すきになってけれないことも、伝えることで関係が終わってしまうことも、会えなくなることも。
それでも、何もかもを捨てる覚悟で1回くらいチャレンジしてみよう。

私と彼には共通の友人がいる。
彼とはあるアプリで知り合った。アプリ上で、私と彼はとあるグループに所属している。
私は、彼に告白する日がアプリを辞める日だと思っている。

ネット上の友達であっても、私には大切な人達だった。
たくさん遊びに行ったし、色んな相談をした。
励ましてもらったことも、一緒に笑ったことも、怒られたことも、寂しさを埋めてもらったこともある。
そんな友人達に別れを告げるのは、とても寂しいことだ。

私は彼や友人たちとの関係を崩しに行く。

ずっと仲良くしてくれた人達だった。
それでも、この気持ちひとつで壊れてしまうものなのだと知っている。

怖い。それでも決めたのだ。 

いくつか残っている彼と会う約束の最後の日に、ちゃんと伝えようと思う。

あなたの事が好きです。私をそういう目で見れないことを知っているけど、好きなんです。諦めるために、私を振ってほしい。

付き合えるなんて思っていない。
それでも、伝えてみようかなと思う。結果が伴わなくとも、今までのどうにもなれなかった自分を変えれるような気がする。

まだ、勇気は出ない。
何ヶ月後になるかも分からない。 

ただ、熱にうかされながら彼のことを思った時、なんとなくそう思った。

きちんと恋を終わらせたい。
わがままで身勝手な私を、どうか許してください。

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