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愛くるしい彼女
12月27日、午後3時すぎ。今、わたしの目の前では9ヶ月の赤ちゃんがお昼寝をしています。場所は、職場が併設されている、彼女のおうち。とっても気持ち良さそうで、私も寝てしまいそう。上司、つまり彼女のお父さんがインタビューを受けている間、一緒に時間を過ごすことにしました。
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昨年3月に彼女が産まれてから、わたしの職場にはいつも赤ちゃんがいるようになりました。お母さんは産休をとり、お父さんはリモートワークをしているエンジニアなので、両親と一緒に日々を過ごす彼女の日々を垣間見るような毎日。今の彼女と私が同じ年の頃、こんな風に愛されていたのかしら、と覚えてもいない思い出を思い返して懐かしい気持ちになったりもしています。
抱くのが怖いくらい小くて、ふにゃふにゃだった彼女が、寝返りをし、ずり這いをし、今ではハイハイはもちろん、立っているお母さんや私につかまり立ちをしてきます。人の顔も覚えて、好きな人には思いっきりはにかむのに、人見知りをする時はプイっとしながら小さな手に力が入る。何と言ってるか分からないけど、発音もずいぶんと増えて、たくさんお喋りをします。キラキラした目で顔を覗き込んでくる彼女。愛くるしいとはこのことだ、と心の中で何度思ったことか。
大きな声で泣くことは、私の前ではほとんどないです。なぜなら、お腹が空いていたり眠い時間帯は職場にいないから。私が彼女に会う時は基本的にご機嫌タイム。しかも、私はめでに愛でるので、多分彼女は私のことが好きになってくれたのか、ほんとうにいつもご機嫌。
私は彼女が大好きです。
彼女は可愛くて、自由で、大人の都合に関係なく眠たくなるし、お腹が空く。かまって欲しいと全力でぶつかってくる。スルーなんて出来なくて、わかりましたよぅ、と思わず抱き上げてしまう。彼女を甘やかしているのではなくて、完全に、私が彼女に甘やかされている。赤ちゃんを見ながら仕事をする、というのは素晴らしい一方で、なかなか難しいと、現実を見据えている。
私の職場、コーヒースタンドには、ちょこちょこ子連れのお母さん達がやってくる。365日24時間、子どもを気にかけているお母さんたちが、お母さん、あなたのための時間を過ごせたらいいなと思いながらコーヒーやカフェラテを淹れる。仕事を中断されるように、家事を中断されることはもちろん、大なり小なりストレスだろうと思うのです。自分が自分であれる時間を過ごしてもらえたら嬉しい。
なんてことを考えるようになったのも、自分の職場に、子育てをする家族がいつもいるからだ。彼女が産まれてきたからだ。
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お出かけしていたお母さんが帰ってきた。「ただいまー」の声に反応して、彼女は目を覚ますと、少し寝ぼけながらグズり、わたしに抱きついてから、お母さんに手を伸ばすのだった。
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