そろそろ湾岸戦争のお話をしましょうか
まだ出張集ですので、簡単に気になるところを書きますが、中東のところについてです。
湾岸戦争は記憶にある方もいらっしゃると思いますが、1990年8月2日にイラクが隣国クウェートに侵攻した事から始まりました。
約1週間で制圧し、その年の11月に安保理決議を経て、年明け1月17日に砂漠の嵐作戦が開始され、2月には停戦が合意があり、約半年で形上終結を迎えたのが、湾岸戦争です。
当時はイラクVS多国籍軍の戦いで、一方的にイラクが敗戦した形になりますが、今回の中東情勢を考えると、イスラエルVSイランとヒズボラという構図になる可能性があり、当時の米国中心で取りまとめておりましたが、今回はまだ静観という状況にあります。
当時のマーケットとしては、原油が上がり始めて、戦闘開始される頃には、原油が高値を取り、約3倍になりました。そこから、終結まで徐々に下がり続けて元通りになりました。
株式については、米国の景気後退と重なった機会もあり、株式市場は大きく下落し、揉み合いながら年明けの戦争が終わる直前2月に回復期を迎えその後春にかけて新高値を取りに行くという格好となります。
当時は、原油が大きく買われ債券市場にお金が流れ、終了間際手前から株式が買われ始めたという歴史があります。
環境としては、米国は利下げ開始時、日本は利上げ開始時でバブル崩壊のタイミングでこの戦争が始まった格好となり、少し現在の環境と似ている点は注目しておく必要はあるのではないかと思います。
特に原油が上がってくると、特にガソリン価格が上がってくるので、クレカ債務でパンパンな米国個人消費を圧迫することに加え、インフレ再燃リスクというのが起きる可能性があり、景気後退に拍車をかけてしまう恐れがあるのと、日本においてもガソリンに直結する部分が上がってしまうので、更なる物価高に拍車をかけてくるかもしれません。
イスラエルがイランに直接攻撃するかもしれない?と報道もされていますので、全面戦争になると少し緊張感を持っておいた方がいいと思いますので、特に原油の価格にこれからは注目をしておきましょう。
地政学だけでみると状況は当時とは少し異なりますが、見えているリスクではあるので、10月という日柄でもありますので、VIなんかも上がり始めているので多少注意深く見ておく必要があると思います。
また、日本においては石破政権が発足しましたが、就任前と発言も大きく変わってきているのでマーケットを支えております。
結局の所、円高になり株が下がると、選挙に勝つためにという動きなのか、国民が期待していた変化というのは特になく、長く総理の椅子に座っていたいということなんでしょう。特に海外報道としては、あまり注目はされていませんが、個人的な感想はそんな印象です。
政治家は、選挙に落ちたら、ただの人、ですから国民のためではなくて私利私欲のためというのが特に今回は感じてしまうので私だけでしょうか。
話を戻すと、日本株については、先週の投資主体別の動向も発表になりましたが、外国人は特に買い主体にはなっておらず、今のテーマはお隣の中国株が盛大のお祭りになっていますので、とこもかしこも中国株を物色しています。
取り急ぎ、原油価格が抑制された動きになるか、80ドルを超えて上昇してくるとある程度マーケットには悪影響を及ぼしますので、そこは見ておきましょう。
良いニュースとしては、バフェットが円債調達していますので、その資金で日本株を買っていく流れになるのでは?と報道されていますが、足元防衛、電池等が物色されていますが、彼はバリューが好きで卸売り商社を前回は買ってきました、今回はどこでしょうね。
保険とか電鉄、電池は私も今気になっているセクターのところですが、もしバフェットが買ってくるセクターはお金が流れて、大口のお金も続けて入ってくるので彼に乗るというのは一つの戦略ですので、こちらは大注目になります。
一方でBofAの株式を追加売却して徐々に米国の株式を処分しているのは、非常に気持ちが悪いところで、かなり短期債運用で現金比率が過去最大まで高めている状況です。
個人的には出張を通じて色々とヒアリングする限り、米国のバラ撒きの代償自体はすぐにではないにせよ、政府利払いの部分を補えなくなったときには危険と考えていますが、中々現代のマーケットだと資金がジャブジャブなのでミンスキーモーメントは起こりにくく、一時的なフラッシュクラッシュ程度で済んでしまう環境です。
債務が雪だるま式に増え続けている中で、自転車操業で輪転機を全力で回し続けて、金のばらまきがどこまで続くかにはなるのですが、いずれはツケは若い人が払うことになるのか、債務国が泣き寝入りするのかにはなりますが、ひとまず米国債の償還が回ってきて集中するのはこの3年間になりますのと、世界での米国の紙幣の信用力は原油ありきなので、この辺りの関係とそもそもの金融システムのお話、GOLDの値動き、ブリックスや新興国のお話にもこの数年は着目していきたいと思います。
現実の米国の不動産の最高値、株式最高値状態で、国が開示しているインフレ率3%のデータは誰も信じられないよね?となるわけですが、国を持たすためにどこかでQEをやる口実をマーケットでやらないといけないのですが、インフレ3波の恐怖と長期でのBUY&HOLDの怖さは募りますし、今の所大統領はハリスの方がマーケットは延命はできるかもしれないですね。
基本的に、資本市場のパンクと崩壊は、インフレと戦争でチャラですから、そのことは歴史に学んでおきましょう。
当面はどこもかしこもインフレヘッジとポートフォリオ分散になるので、本来の資産運用の目的というのは、インフレヘッジなので、これからは特に重要視されるマーケットになるでしょう。
本日は簡単ながらに以上です。