とっちゃん坊や
やすみ~っ。
行き止まりの住宅地なので、車の音も人の声も聞こえない。
リュウも暑いのか、長~ながとコンクリートに寝ている。
目の前の庭の芝生もワサワサと繁っているのは、見ないふりをする。
時間がありすぎると何もしない。よろしくないが、タガが外れるとひたすらゆるくなる。
これじゃ、ダメだとワサワサと生えている髪の毛を切りに美容院へ。
「バッサリやって下さい」と週刊誌を見ていたら
オーッ。「とっちゃん坊やになってるね」
さすがに前髪がまっすぐな断髪はこの年ではキツイ。
「ここ、ちょっとそいで」「マッ。いっか」
そんなやり取りの前、白髪を染めてもらっているとお隣のイスの女性。
「短くしてください」「もっと、もっと」
美容師さんの「もう2cmですが」に「もう少し」と。まあ、素敵なご婦人が坊主のちょっと手前の頭でさっそうと帰っていった。
化粧っ気もなく、私より少し上かな?羨ましい。あれで紅の一筆もさすと絵になりそうだ。
希ではあるが、私にはまったく似合わないので「とっちゃん坊や」で我慢した。
帰るなりソファで本三昧。何という気ままな一日であろうか。