Generative AI分野に特化したインキュベーションプログラム「荒波~ARANAMI~」2ndに参加して
この度、2023/5/12~6/3にかけて行われたGenerative AI分野に特化したインキュベーションプログラム、「荒波~ARANAMI~」2ndに参加させていただきました。
ありがたいことに、総合優秀賞・テック賞・キュービック賞を頂きましたので、その感想や学びをまとめたいと思います。
荒波とは
シードスタートアップ投資をメインに行うベンチャーキャピタル(VC)ファンド、Skyland Ventures (SV)が主催するインキュベーションプログラムです。
今回は「Creater」というテーマに沿って事業の立ち上げや起業について学び、社会的インパクトを作り出すことの面白さを学ぶプログラムに参加させていただきました。
Pitch Dayにはチェルシーさんや久保田さん、デジタルレシピのCTO古川さんや植松さんなどが審査員として参加してくださり、アドバイスやフィードバックをいただくこともできました。
わかりやすくまとめると、「3週間でGenerative AIを使ってプロダクトを作りましょう!」というイベントです。
その過程において、下記の3つの問いに対する自分なりの答えを持つことがゴールです。
スタートアップ起業家とは?
次ユニコーンになるアイデアとは?
スタートアップ起業してまず1年ですることは?
荒波に参加した背景
1番の理由はインターン先のキュービックの社長からの紹介です。
最近は起業したいなと考えており、その相談も社内でよくしていました。しかし、自分が納得できるような事業案ができなかったり、最後の決意をしきれない日々が続いておりました。
そんな中、荒波2ndが開催されることが決まり、パートナー企業として参加するとともに、参加者として自分も参加させていただくことになりました。
アイデアを考える際に気をつけたこと
大きく分けて3つです。
ビッグテック企業のAIの成長とプロダクトの成長が紐づくこと
10万インプレッションが達成できること
過去でも未来でもなく”イマ”やるべき理由があること
1.ビッグテック企業のAIの成長とプロダクトの成長が紐づくこと
Generative AI関連のサービスでは、ビックテック企業に後々吸収されてしまうモノがいくつかあると思います。
ChatGPTが発表された当初たくさん出てきたプラグインも、公式が発表したプラグインでかなりの数が吸収されたと思います。ファッション系のサービスもZOZOなどが参入して来たとしても生き残れる物を作る必要があるなと感じてました。
2.10万インプレッションが達成できること
オリエンテーションにてTwitterで公開したときに10万インプレッションの獲得を目指してくださいと言われました。
何も目標がないと走りにくくなってしまうので、まずはTwitterで10万インプレッションの獲得ができるように尽くしました。公開後も10万インプレッション達成までは知り合いにお願いしつつ拡散に注力しました。
その結果スライド作成に時間を割くことはあまりできなくなってしまいましたが、10万インプレッションの達成と各種メッセージから確かなニーズを明らかにすることができました。
この、スライドをキレイに作り上げることよりもニーズを明らかにすることに注力したことが総合優秀賞に繋がっていると思います。
3.過去でも未来でもなく”イマ”やるべき理由があること
この問いは少しむずかしいなと感じていました。遅すぎては競合に遅れを取ることもありますし、早すぎてもPMFできずに終わってしまう。
かと言ってなぜ”イマ”である必要があるか説明するのも難しい。
結局腹落ちしたのは、新しいサービス・プロダクトは「内部要因」と「外部要因」が大切だということ。
内部要因は、なぜその”ヒト”がやる必要があるのか。どれだけ自分のプロダクトに愛と情熱を持って開発できるのか。外部要因は、ユーザーが届けたい価値を本当に価値として感じてくれるのか。そのタイミングとして”イマ”は本当に正しいのか。
これを考えることが大切なだなと感じ、自分自身が本当にやりたいことが出来ているかは常に問い続けていました。
作ったプロダクト
上記の考えのもと作ったプロダクトがこちらです。
過去のTweetデータから考え方を学習し、15分ほどの音声データから音声を学習。口も動くようにしました。
普段忙しい世一さんとも24時間365日相談できるようになりました。
参加して感じたこと
たくさんあるので順を追ってまとめます。
結局本質的な思考が大切
3週間という短い期間だったので重要度と優先度を考える必要があります。今回でいうと、どの機能が一番の肝になっているのか。評価の際はどの指標が一番重要なのか考えること。
機能でいうと、「声が似ている」「返答がその人っぽい」「それっぽく喋っている」の3つが重要でした。評価指標としては「ニーズがあるのか」が大切で、そのためにもインプレッションは確実に10万を達成する必要がありました。
荒波だけでなく、日々の業務でも表面的な思考ではなく本質的な思考が常に大切だなと改めて感じました。
走り方考えるよりまず走る
これはまだまだ課題の残る観点でしたが、あーだこーだ色々考えていても所詮仮説に過ぎません。
走ったことない人が走り方をずっと考えていてもしょうがないので、まずは走り出すことの重要性を再認識しました。とはいえ、上記の本質的思考と”えいや”で走ることは矛盾が生じるので、ときに止まって振り返ることも大切だと考えています。
とがった石がどんどん丸まっていく感覚
荒波が始まってすぐ、アイデアの共有部屋にはとがったアイデアもたくさんありましたが、マーケット調査や技術検討を進めていく上で、どんどんアイデアが丸まっていった感覚がありました。自分自身もそうです。
権利面が...
技術的に...
だからこそ、パッションが大事だなと感じました。これらの困難はずっとぶつかり続けると思います。だからこそ、どれだけ実現したいと思っているのか。その”気持ち”が大切であると思いました。
アイデアだけでなく、考え方も。皆さん、幼稚園・小学校に通っていたときにどのような夢を語っていたでしょうか。その夢は実現できているでしょうか?
行きていく上でたくさんの知識・経験を付けて、その夢の実現可能性について考え出します。結果、決まったレールに沿って成長していき、何も変えることはできない、なんてことになってしまうと思います。
いつまでも子供のように、キラキラした目で夢を語り続けることがまずは大事だなと感じました。そのためにも、自分が本当にやりたいことを明確にすることが大切だと考えています。
エンジニアって強いなって
3週間でプロトタイプを作らないと行けないため、とにかく開発力が必要でした。自分自身は、たまたま大学でAIについて学んでいて開発できました。他のチームに関しても、すごい技術力で爆速で開発しているチームが大半でした。
一方で権利面が怪しいサービスがあったり、アイデアとしては面白いけど実現することが難しかったりと。やはりビジネスとテクノロジーに溝があるのを感じました。
自分は1年生の頃はビジネスサイドのインターンをずっとやっており、最近はテクノロジー系の業務を行っているため、Biz×Techの領域に強みがあります。このBiz×Tech人材のニーズを再認識できたのは自分自身としても良かったなと思います。
結局ヒトが大事
かぶるところもありますが、結局何事も”ヒト”が大事だなと感じました。シードスタートアップに誰よりも先に投資するのは事業も固まっておらず難しいなと感じています。
そんな中SVの方々とお話した際、投資の決め手は”ヒト”であると話していました。わからないからこそ、事業よりも人に投資しているというのは納得度がありました。
そして、拡散の際も沢山の人にご協力いただきました。インターン先の社長、友人、上司などなど。1人でできることは限られているからこそ、ヒトとの関わりを大切にし、ヒトに向き合ったプロダクトを作っていきたいなと感じました。
だからこそ、”ヒト・ファースト”をコアバリューに掲げ、社内にも揺るがない価値観として定着しているキュービックは改めて大好きです。
3つの問いに対する自分なりの答え
荒波の最初に挙げていただいた3つの問いに対する自分なりの答えを端的にまとめます。
スタートアップ起業家とは?
子供に負けないくらい目をキラキラさせ、夢を語り実現していくひと
次ユニコーンになるアイデアとは?
自分自身が本当に実現すると覚悟を決めているアイデアで、顕在ニーズが明らかで潜在ニーズに対して価値提供できるアイデア
スタートアップ起業してまず1年ですることは?
全力疾走
今後について
やはり自分はGenerative AIが好きです。まだ見えない可能性がありますし、何と言ってもGenerative AI関連の開発のときは時間を忘れています。
しかし、Generative AIは人間の代替として捉えている方も一定数いると思います。自分は、Generative AIの本質的な価値は人間には成し得なかったことを達成することにあると考えており、その価値の提供に向けてこれからもGenerative AIに向き合っていきたいと思います。
荒波3rdについて
今回は、荒波2ndに参加させていただきましたが、なんと2023/8/18~9/9にかけて荒波3rdが開催されるそうです!
少しでも荒波に興味を持っていただけた方は是非参加してみてください!
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