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「神速一魂とTHE 虎牙道の対称性について思うところ」SideM雑記

最近「神速一魂とTHE 虎牙道ってシンメトリーなユニットなんじゃないか」と思うようになってきた。

ユニットカラーが白と黒だとか、メンバーカラーが赤青と赤青黄な所とか、連れ立った猫と野良の猫とか、信念をぶつけ合う喧嘩と競技性を遵守する試合とか……。浅い所だとこんな所か。

ただ何というか、父との確執だったり、特殊な幼少期だったりを考えると、うーん……。

紅井朱雀と黒野玄武にあって大河タケルと牙崎漣になかったものは、無条件で自分を守ってくれる環境と、自身の環境に対して疑問を持つことが許される時間かなと思った。

ぶっちゃけ神速一魂に関してはにわかなので担当Pに「いや、違うが……」と言われても「そうですね……」と首を縦に振るしかないのだが……


やっぱり頼れる大人がいて、慕ってくれる人がいて、社会に触れて生きるというのは大事だなと思う。朱雀は大人社会に触れて生きてきただろうし、玄武は子供の多い社会に触れて生きてきたんだろうけど、どちらも他人との繋がりがキーワードになっていて、長い時間をかけてその繋がりを守るという答えを出したからああいう生き方をしているんじゃないかと思っている。

ヒーローには成長回が必要で、その為には迷うこと、選ぶことを許す環境がいる。
 神速一魂にはその環境があって、それが良い事悪い事という話でもなく、その環境の中で成長することを選んだ二人が今ヒーローになっているんじゃないだろうか。

反りの合わない父親でも、親として愛情を注ぎ、子を当たり前のように守ってくれるというのは改めて凄いことで、この選択肢を選んでほしいというエゴはあれど、それについて自由に考える時間を奪ったりしないのは子供からしても嬉しいんじゃないかと思う。
 対して自分を求めてくれる無邪気な存在が傍にいるという環境も、自己肯定感を育む一端になるのではないかと思った。セリフを見ていると当初は引け目を感じていたように見えるし、実際その通りなんだろうけど、自分を認めてくれる人、慕ってくれる人、共に戦ってくれる人がすぐ傍にいるっていうのは自分というアイデンティティを固める大きな助けになる気がする。

神速一魂は神速一魂となる前からヒーローで、プロデューサーは戦う場所の提供者であり、良き理解者というとてもバランスのいい関係性の上に成り立っていると思う。
 彼らはよくプロデューサーのことを信頼し、自身の成長をプロデューサーの一助のお陰だと感謝を伝えてくれるが、その実彼ら自身が身につけていた強さもあるなと思う。単純にカッコイイ。


タケルにはその時間がなくて、漣はその環境に出会う機会がなかったな、と感じる。
 何よりも優先すべき事項がそこにあって、それ以外について考える時間すら惜しんで自己研鑽に勤しんだり、無情にも自身を庇護する環境から追い出され、それについて疑問を持つこともなく一人で生きることを選んだりと、それはまあ、少し過酷な人生だなと思う。
 別に哀れんでいる訳ではなく、客観的にそうだという話。

だからその環境の中で育ち、与えられた時間の中で迷い、選び、戦った人間が傍にいることの意味を感じる。THE 虎牙道は円城寺道流という説得力のある人間がいて初めて円満な関係となると考えているので、この存在は大事だなと改めて思った。


ただ別に、だからといって神速一魂は未だ成長途中でこれからどんどん大きくなるだろうし、タケルと漣が人として未熟だと言う訳じゃない。タケルの人を尊敬し素直に言葉を飲み込む姿勢は、ジムやボクサーという社会に触れてきた賜物でありアイドルになってから成長した部分だと思うし、漣の他者の価値観に不用意に揺さぶられることのない芯のある内面は、こういう生き方をしてきたからという面もあるのだろうなと思う。

まあ何にせよ、子供というまだ守られることが当たり前でいい存在が、あたたかい環境に出会えることを望んでみたいな、みたいな。これは多分そういう話だ。


(終)

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