86歳の博士号
今日は何の日?
今日(1/20)はあの伊藤圭介博士の命日です。明治34年の1月20日に亡くなられたそうです。
え?どなたかご存知ありませんか?
と言っても、実は、私も思い当たりませんでした。大変失礼ながら。しかし調べたところ実は知っていました。どういうことなのか?
まず、なぜ私が伊藤博士の話を持ち出したかというと、それは今、図書館から借りている本にあります。
今読んでる本
「科学歳時記一日一話」(小山慶太著、河出ブックス)という本で、365日それぞれの日に応じた科学のショートエピソードを紹介してくれて面白いです。(といってもまだ1月までしか読んでませんが)
そして、そんな本日は、職場の朝礼のあいさつ当番が私だったので、この本のエピソードを紹介しようと思った次第です。で、1月20日のページを開いたところ、博士の命日だったわけです。
上述したとおり、お名前に馴染みがなく、皆さんも知らないだろうから、ちょっとやめようかな思ったわけですが、一応そのお名前をググってみました。
植物園での出会い
と、その前に、急に話は変わりますが、私は愛知県に住んでまして動物園に行くとしたら「のんほいパーク」、岡崎東公園、あるいは東山動植物園かなと思ってます。東山動植物園はコアラやゴリラのシャバーニで全国的にも有名ですし、私も小さい頃から何回も行って、最近も娘たちがいるので年1、2回は行ってます。
東山動植物園は名前のとおり、植物園もあり、こちらも素晴らしい施設です。私は獣医だということもあって、やっぱり動物が好きで、子供の頃からあまり植物園の方には行ったことがありませんでした。
しかし、最近だと色んなイベントがあったり、モノレールの終着駅だったりで娘たちに引っ張られるように行くようになりました。
そこで、植物園の門をくぐってすぐの建物の中にある人の記念室がある事に気づきました。名古屋(当時の尾張国)出身で、植物の研究をしたり、医者として天然痘のワクチン広めたりと、展示物に書いてあって、偉い人がいたんだなぁとその時は思っただけでした。
伊藤博士との再会
そう!それが伊藤圭介博士だったのです。植物園ではお名前を覚えなかったけど、私にとってとっても身近な(?)方だった!
名古屋の平和公園には石碑があるそうで、それもまた私は毎日通勤で近くを通っているのでした。
より身近に感じるポイントはいくつがあるのかなと思います。簡単に紹介しますと、
①おしべ、めしべ、花粉を名付けた。
(東山動植物園HPより)
江戸末期にはおしべ、めしべにあたる言葉が無かったんでしょうね。
②いくつかの植物の学名になっている。
(ウィキペディアより)
私が名前がわかるりそうな植物で言うとアシタバ(Angelica keiskei)やスズラン(Convallaria keiskei)があるようです。
今度スズランを見つけたら「おお、ケイスケイ〜!」と言う事にしよう。
③シーボルトに師事する。
シーボルトといえば、日本史の授業を受けると必ず出てくる博物学者ですね。伊藤博士はシーボルトに博物学を学んで、植物の研究をするようになったようです。
④日本で初めての理学博士になった。
(前述の本より)
明治に入って大学などに勤めていたようですが、明治21年に日本で初めての理学博士が5人誕生しますが、その一人が伊藤博士です。何が凄いかというと他の4人が30代40代の中、御歳86歳での学位授与だったことです。詳細な経緯は知りませんが、恐らくその年まで継続的に研究を続けていたからこその博士号だったのではないでしょうか。
そんなことを聞くと、私自身「体力が~とか物覚えが~」とか言ってらんないです。頭が下がる思いです。
伊藤博士は明治34年の今日1月20日に御年99歳で亡くなられました。この日にこの本の記述で再会できたのが本当に嬉しく思います。ありがとうございます。今日一日が温かい気持ちで過ごせました。
まだ伊藤博士のこと知らないことばかりなので、ぜひ勉強させて頂こうと思います。また、植物園にも行こう。
明治ロマン
ところで明治34年というのがパッと120年ぐらいかぁと思えてしまうのは明治村に常に今が明治何年かが掲げてあるからなのだと気づいた。たまに明治村行くので。
明治はなんかロマンを感じますよね。
植物学者が見た幕末・明治はどんなだったのでしょうか。いつか聞いてみたいです。